株式会社べアレン醸造所(岩手)

働くことを誇りにするユニフォーム@岩手
〜地元を代表する醸造所 ユニフォームプロジェクト〜
- 社名:株式会社べアレン醸造所
- 所在地:岩手県盛岡市
- 事業:地ビールの製造、販売
2001年に設立された株式会社べアレン醸造所。盛岡の本社工場、雫石工場で岩手、世界トップクラスの地ビールを醸造しています。黒ビール(スタウト)は世界一の称号も受賞しており、地元でも世界でも愛されるドイツ伝統的製法で作られるビール作りを愚直なまでに貫いています。様々なイベントにも出展し、自社工場で開催されるオクトーバーフェストには毎年多くのファンが集まり、地元では親しみを込めて「べアレン」「べアレンさん」と愛されています。















利用したブランド・戦略(2025年4月〜9月)
- 作業着・ユニフォームデザイン
- 宣材写真撮影
プロジェクト概要
「岩手のブランディングカンパニーと言えば?」と真っ先に思い浮かぶのがべアレン醸造所様。ジュークとべアレンさんのご縁は古く、代表加藤がブランディングに出会った15年前、好事例としてよく見ていたのがべアレンさんでした。商品力もさることながら、ブランドガイドラインの浸透、クレドが徹底されており、皆お話しするといい感じの空気感を纏った人ばかり。言葉には上手く表現できないけれど「べアレンっぽい」方ばかりでした。ブランディングを学びたての頃「これが、ブランディングがうまくいっている会社の姿なのか」と感銘を受けたことを覚えています。
きっかけは2024年のジューク企画展
お互いに知っている仲のべアレンさんですが、ユニフォームご依頼のきっかけは、2024年夏に開催したジュークの企画展へ嶌田社長が来場されたこと。会場ではブランディングメニューの1つであるユニフォームも一挙公開。設計・デザインだけではないジュークの幅広い仕事内容に興味を持っていただきました。
オリジナルグッズをたくさん展開している印象のべアレンさんですが、工場内で製造現場のスタッフが着用するユニフォームを導入したいとのこと。過去にも何度か工場スタッフのウェアを統一しようという動きはあったものの、導入には至らなかったと嶌田社長は言います。ジュークは一方的に提案することはなく、一緒に考えながら形にしていく共創スタイルであることをご説明しました。
ブランドの原点で着用
2025年春にユニフォームプロジェクトがスタート。メンバーは若い20代のスタッフたち。嶌田社長も合流し「べアレンらしさとは何か?」と「ユニフォームを導入する意味」を考え、スタートラインを揃えるキックオフを開催。そこで社長の口から語られた「これを着てここで働くことを誇りに思って欲しい」という思い。伝統あるドイツクラシックスタイルを愚直なまでに貫き、岩手・世界を代表するブランドに成長したが、そこに至るまでには数々の大変な時期を乗り越えてきたであろうその言葉には重みがありました。(詳しくは嶌田社長著書「つなぐビール」で)べアレンブランドの原点であるビールづくり。そんな現場で着用されるユニフォームです。
若いスタッフとの共創
感心したのはミーティング中に「さぁ、どうしようか?」というシーンになると、さっとブランドガイドラインを取り出し、「嶌田はいつもこう言っています」と語る若いスタッフ。こうして脈々とべアレンらしさが引き継がれていることを毎ミーティングで感じました。一朝一夕では成し得ないブランドづくり。このように「らしさ」を普段から理解できているため、迷いが少なくプロジェクトは順調に進行しました。
創業の精神を忘れないユニフォームに
べアレンビールといえばグリーンと赤。クマの紋章のロゴマーク。このグリーンはなんでも創業時に着用していた作業着と同じモスグリーン。そこで、当時の写真を頼りに、同じ色のジャケットを探しました。ドイツクラシックスタイルを貫くべアレンさんらしく、今流行りのライダースデザインではなく、どことなく古風な雰囲気を醸し出すスウィングトップのボディを選びました。
そこに、ビールの黄金色の刺繍で胸には「MORIOKA SHIZUKUISHI IWATE JAPAN 2001-」背中には「CRAFTSMEN BEER BEAREN」の文字を刻みました。嶌田社長の「ここで働くことを誇りに思えるように」という言葉から本社工場、雫石工場それぞれが「ここでビールを作っている」と意識できるよう地名まで入れました。そして全国、世界にも名の知れたべアレンさんだからこそ岩手、日本を背負っていることを示しました。胸に入っていることで、会話のきっかけになると嬉しいです。
遊び心と快適さも忘れずに
夏場は40度を超える醸造釜のそば。そして、寒暖差でメガネが曇るほど寒い醸造室。天然サウナのような暑い、寒いを繰り返す製造現場の日常。寒ければ着込めばいいですが、暑さばかりはどうしようもありません。そこで薄くで丈夫なサロペットを選択。毎日着用するためトイレにも行きやすいよう、腰部分が大きく開くタイプを採用しました。
べアレンさんといえば目を惹く商品企画、イベントなど遊び心もある企業。本社工場では工場見学も受け入れており、製造部といえど社外の目に触れることもあります。そこで、腰部分にはロゴマークを配しました。離れて見ると、クマの尻尾のようにも見える!?かも。前ポケットからもひょっこりのぞくカンパイベアがいますので、ぜひ現地で発見してみてください。
配り方、お披露目にも一手間加える
出来て終わりじゃないのがジュークのプロジェクト。そのお披露目の仕方にも一手間加えることで、より「なぜこうしたのか」を印象付けます。今回は社内配布式を朝礼時に開催。社長から、そしてプロジェクトリーダーから一言づつ頂き、前日にラッピングしたユニフォームを一人一人に手渡しました。製造部しか着用できない、と言うのも粋でこれを着れる特別な存在、としてべアレンさんらしいビールを世に生み出していただきたいです。
さらには20周年となる三日間開催されたオクトーバーフェストでは、県内、全国から集まるべアレンファンの皆様にもお披露目を行いました。製造部によるファッションショーを開催。ファンの皆様による温かい声援が印象的でした。愛されるブランド「べアレン」。そんなブランディングカンパニーのユニフォームプロジェクトでした。