19MAGAZINE#2023.6
super ally!多様性を考えよう@プライド月間
※LGBTQ +とは…性的少数者(セクシャルマイノリティ)を表す言葉のひとつ。L:女性の同性愛者(レズビアン)G:男性の同性愛者(ゲイ)B:同性愛者(バイセクシャル)T:こころとからだの性の不一致(トランスジェンダー)Q:こころの性別、恋愛の方向が定まっていなかったり、その変化している途中であるなどの人々(クエスチョニング)それらに加えて、それ以外の性を表す「+(プラス)」を付けて「LGBTQ+」という言葉が使われるようになってきています。
6月は世界各地で「プライド月間」とされ、LGBTQ+の権利について啓発を促す様々なイベントが開催されます。スポーツ・ファッションブランドからはスニーカーやTシャツなどLGBTQ+を象徴するレインボーを取り入れた商品が数多く発売されているのでチェックしてみてください。日本でも様々な啓発イベントが行われ、ジュークの本社がある岩手県盛岡市でも5/13.14と「IWATE RAINBOW MARCH 2023」が開催されました。2018年の第1回を企画したのがジュークのデザイナーとして後にジョインしてくる、かとうまいです。彼女はレズビアンであることを公表しており、2019年には最年少で盛岡市議会議員に当選。二足の草鞋でジュークのデザイナーも続けた多様性の塊のような存在です。彼女のようなアイコニックな存在が身近にいるジュークでは属性について「特別視」はありません。
(レインボーカラーのグッズ)
14人に1人はいる
2020年6月、ジュークはsuper ally宣言をしました。ally(アライ)とは「仲間」や「味方」などを意味する英単語に由来しており、LGBTQ+の人たちに寄り添いたいと考え、支援する人のことを指します。LGBTQ+のお客様やスタッフがジュークと安心して関わっていけるよう、社内研修などを行っています。その存在は14人に1人。左利き、AB型の人と同じ割合と言われています。言わないだけで存在している、ということを忘れてはいけません。
(昨年の多様性を考える研修の様子)
super ally企業として
日本ではまだ8.2%しか存在しない女性社長のもと、20〜70代と幅広い世代が集まり、国籍も関係なし。(中国人スタッフおります)犬も一緒に働くし、在宅スタッフもいるし、少人数の割にはダイバーシティ環境が強めな私たち。なので“super”を付けてsuper ally宣言をしています。私たちにとって当たり前のこの環境は、世間一般には不思議に見えるかもしれません。どうすればそんな働き方ができるの?風土を育む工夫は?など、allyや多様性に興味を持つ企業・組織の方にも見える形で発信していきます。
コーポレートカラーは白黒ですが、allyや多様性のお話をする際は個性を活かしたカラフルなキービジュアルを用いています。社内外に向けて、誰もが働きやすい環境づくりをお伝えするセミナーも開催。設計のご提案では、男女を区別しないオールユーザートイレがありますが中小企業での採用はまだまだ難しい状況です。しかし、発信し続けることが大事。ジュークの組織、働き方、提案を通してLGBTQ+や多様性に対してリテラシーが高いally企業をこれからも日本に増やしていきます。
(かとうまいの近況「パートナーシップ宣誓第1号!」)
元デザイナー・かとうまい現況
5/1から盛岡市パートナーシップ・ファミリーシップ制度が開始。この制度は、性別や性自認、性的指向に関わらず、互いを人生のパートナーとして、日常生活において相互に支え合うことを約束した2人が市に宣誓したことを公に証明する制度です。現行の婚姻制度を利用できない性的マイノリティのカップルや、事実婚のカップルなどが利用できます。この制度の周知に貢献する意図で、私も一市民として利用し、パートナーシップ宣誓第1号となりました。ここに至るまで多くの方々にお力添えを頂いたことに感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。この制度が多様性・包摂性・公平性のある社会づくりの一助となり、生きる甲斐を感じる人が1人でも増えたら嬉しいです。(かとうまい)
2018年5月19日。ジュークアンリミテッドができた日です。今日で丸5年が経ちました。1年の締めくくりである12月、新しい年が始まる1月、仲間が増える4/1。1年で色々な節目がありますが、やはり思い入れが深いのは5/19です。(トップ画像は5年前の写真)
先日会社で社名(ジュークアンリミテッド/19unltd.inc)にちなみ「19歳のとき何してた?」というワークをやりました。19歳がつい最近のスタッフもいれば、私は20年以上前、会長に至っては50年前…若かりし写真、時代背景が懐かしすぎたりと盛り上がりました。19歳だったみんなが今この瞬間会社という場所で一緒にいる。「これが縁というんだな」と感じました。
5年前の5/18。前職最後の仕事は深谷の建設会社さんに向けてブランディング講演をしていました。今と変わらず、当時も出張していました。そして翌日5/19に会長と共にマンションの一室で、私は社長としてジュークアンリミテッドを立ち上げました。埼玉からの出張帰り、盛岡で所属しているお祭りの会のメンバーが参加している三社祭を見に行きました。参拝後、限定御朱印をもらおうと列に並んでいる間、時間があったのでSNSに「会社辞めました。そして会社始めました。」という投稿をしました。投稿直後に会ったのはお祭りの先輩方で「え?辞めたの?」と浅草で言われたことを思い出します。
新緑が綺麗で、カラッと爽やかな気候。プライベートなお付き合いの方々を前に「へへ。そうなんです。立ち上げちゃいました。」と少し照れ臭く、何の会社かも特に説明せずそのままお祭り鑑賞に勤しみました。浅草で「社長」と言われて気恥ずかしかった5年前。5年の間に移転もしたし、スタッフを見送ったり迎え入れたり、資金が底をついて融資をお願いしたり、ビジネスモデルを見直したり。個人的には住んでいたマンションが火災になり家なき子になったりと、まぁ色々ありました。まだまだ未熟者ではありますが、私も少しは社長として成長していると思います。
あの日から5年経った今日5/19は盛岡は生憎の雨です。金曜なので皆はお休みです。私はというと、出社してこれを書いています。次の5年。ジュークが10年になる時にはどんなことが起きていて、どんなメンバーが会社にいて、私はどこでこれを書いているのか。創業メンバーは現在7名。ここに新しく若いメンバーが2名。これが現在のジュークです。5年前の立ち上げ時を知らないメンバーもいるので創業の瞬間の話を書いてみました。
4月には新しいスタッフが入社し、新体制になりました。今ジュークにいるメンバーは、次なる5年、10年を共に過ごすコアメンバーだと私は思っています。ここにさらに色々な風が吹き込み今からは想像できない10周年を迎えたいです。課題もたくさんありますが、未来が楽しみな気持ちの方が勝っています。スタッフ、お客様、パートナー企業、家族。さまざまなご縁で5年ジュークアンリミテッドという会社が存続できています。新体制で6年目に突入するジュークアンリミテッドを今後ともよろしくお願いいたします。
老舗印刷会社の新社屋ついに完成!
1923年創業の末吉ネームプレート製作所様の新社屋が今月完成しました。コーポレートブランディングから始まり、昨年後期からは内装材の選定や内部サイン計画、新ロゴマークの作成などを担当させて頂きました。
新ロゴマークが映える外観デザイン
ネームプレート作成に使用するアルミ・真鍮・ステンレスの素材感を連想するようなシルバーカラーをベースに外観デザインをまとめました。創業の地「新橋」の新橋色のロゴが際立ちます。
会社の想いを込めた内装デザイン
金属銘板の印刷工場は普段からたくさんの色を使用するので、内装はコーポレートカラーと他の色を組み合わせて色彩豊かにまとめました。1階エントランスの階段手摺は新橋色でスッキリと。その手摺が映えるよう、壁面と踏板は無彩色(白&灰色)で構成。エントランス横にヒストリーコーナーを配置し、ゲストの目に留まるようにしました。3階のインフィニティホールは床材を曲線状に貼り分け、会社のDNA“可能性を末広がりに無限大”を表現。床材は社員さんがリラックスできるよう木目調をセレクトしました。
新ロゴマークとサイン計画
今年創業100周年を迎えるのを機に会社ロゴを刷新。創業の歴史や会社のDNA、これからどんな未来に向かっていきたいのか?などをヒアリングさせて頂き、度重なる打合せとデザイン案を経て決定しました。末吉の頭文字「S」を象りつつ、未来へ広がる無限大の可能性を表して「インフィニティーマーク」をキービジュアルに。向きを縦にすると「8(末広がりの八)」に見える遊び心も。2つの円をシンメトリーにした形状は印刷業の版をイメージしています。こちらの新ロゴマークを外観上部とエントランス横に配置しました。
【NEWS】ジュークの最新ニュース
ベンチマーク視察団@埼玉ツアー開催
6/2・3の2日間、埼玉県深谷市を中心に19CLUBメンバーとブランディングベンチマーク視察をしました。今回のホスト企業は深谷市の建設業・古郡グループ。ツアーの詳しい様子は来月号で紹介します。
19WORKS最新号「東洋商事」完成
ブランディング×設計事例を紹介する19WORKSの最新号が完成。3月に広島市にオープンした「Tpark」は公園がコンセプトの東洋商事様の新オフィスです。ブランディングインタビューも掲載しています。
会長・望月スペイン巡礼残り半分!
2023年バケットリストの1つ目「サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路」に挑戦中の望月。800km以上ある道のりの半分、サンディエゴまで残り390kmに到達したとのこと。無事の帰国を祈っています!
今回紹介する建物は岐阜県多治見市にある「モザイクタイルミュージアム」。建築史家・建築家の藤森照信氏設計です。
町中に突如として現れる山のような形状と芝生の緑が存在感を放っていました。タイルの原料は粘土であり、建築の原点は土造りという点から、外壁は一面土壁。手で触れるとザラザラと本物の素材感を感じます。土壁ならではの特徴を活かして、モザイクタイルや陶器の破片などが均等間隔で壁内に埋め込まれています。焼物が盛んな多治見市の歴史を表現している外観デザインでした。
(大きな山のような形状の外観)
館内を動線通りに進んでいくと、土壁で仕上げられた薄暗い洞窟のような階段を登ります。まるでタイルの焼成に使用する窯を彷彿とさせるような雰囲気でした。階段を上がると、4階には眩しいくらい一面真っ白のタイルで仕上げられた展示室があり、動線設計がテーマパークのようでワクワクしました。天井には空を切り取ったような大きな穴が開いており、半外の空間になっていました。自然光が直接差し込み、風を感じられ、本当に洞窟から地上に出てきたような感覚があり、楽しい建築でした。
(薄暗い洞窟のような階段)
非常に独創的な建物で、立体造形の形状や使用している素材、エリアに対する敬意など、すべてにこだわりを感じられる名建築でした。
(真っ白な4階の展示室)
旅のおしえ
~旅先での出会い~
なんと偶然にも、当時の建築にも密接に関わっていた元館長の各務さんにお会いすることができ、タイルにかける想いや建築にまつわる様々なストーリーをお聞きできました。ご案内ありがとうございました。
今月は「KANAN SPA」
NYタイムズ「2023年に行くべき52カ所」の2番目に選ばれた、ジュークの本拠地岩手県盛岡市にあるサウナをご紹介。
(本格的なフィンランド式サウナ)
(“ヘラルボニー”監修のアートが随所に)
記念すべき第1回でご紹介するのは「KANAN SPA」。ジュークの本社がある岩手県盛岡市の「HOTEL MAZARIUM」内にあります。本格的なフィンランド式サウナで、貸タオル込の料金設定なので手ぶら訪問可能。サウナ室93℃・水風呂18℃・セルフロウリュ可・外気浴有と満足のスペック。サウナ→水風呂→外気浴までの歩行距離が短いのも嬉しいポイントです。特に珍しいのが縦長の1人用サイズの水風呂。入水と同時に浴槽から水が溢れ出る瞬間は”ととのい”へのカウントダウンを感じます!街中の喧騒も全く感じず、外気浴スペースでしっかりと整うことができます。”サ飯”は同施設1階、弊社が店舗設計した「GREAT BURGER」さんへ。美味しいハンバーガーに食らいつきます。それでは『ナイスサウナ!』
Vol.18 倉庫や工場の建設には地盤調査が重要
前号でご説明したN値についてはボーリング調査で算出します。ボーリング調査では支持層の深さを判明することができます。支持層は構造物を十分にかつ安全に支持する能力があり、沈下に対しても安全である地層で「支持地盤」とも言います。支持層の目安は砂質土・礫質土ではN値50(または60)以上、粘性土ではN値20~30以上とすることが多いですが、実際の工場に設置する機械の重さや荷重に対する条件などにもよります。「N値」の数値が大きいほど、固くて良好な地盤であると判断できます。支持層が深いほど杭の長さは長くなり、建築コストが高くなります。
支持層は土地選びの際に重要なチェック項目でもあります。
(旧学校をリノベーションした施設のトイレ)
今回もリノベーションされた学校とそのトイレをご紹介します。山形県村山市にある「Link MURAYAMA」は前回ご紹介した「Q1」同様、複合施設に生まれ変わった旧学校です。元は旧県立楯岡高校でしたが2016年に閉校。学校を再活用するプロジェクトをスタートさせ、2022年に複合施設として新たにオープンしました。
(吊り下げられた蛍光灯)
内装は元の躯体を残し、教室の古材を利用した家具が置かれ、懐かしい雰囲気が残っています。吹き抜けから吊り下げられた照明は一般的な蛍光灯。それらをランダムに配置し、ペンダントライトのように吊るすことで、学校だった頃の雰囲気を残した魅力的な演出に。
(壁一面タイル貼り)
施設内のトイレは壁一面をタイル貼りにすることで清潔感を持たせていました。鏡は学校のトイレでは取り入れないような丸形の物を設置しています。従来の学校のトイレの鏡は長方形型のものが多いですが、丸形にすることで単調にならずに動きのある空間へと変化しました。トイレは狭い空間なので、鏡の形状や壁面の素材など些細な部分を少し工夫するだけでも印象がだいぶ変わります。トイレは企業の顔・店舗の顔とも言われますので、ちょっとした工夫やアイデアをトイレ内に取り入れることも必要ではないかなと思いました。
<Link MURAYAMA>
旧県立楯岡高校を改修&新設した「Link MURAYAMA」。オープンスペースやシェアオフィス・店舗・キッズラボなどがあり、民間企業から子どもまで様々な人が利用できる施設。
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〒995-0032 山形県村山市楯岡荒町2丁目1-1
営業時間/9:00〜20:00
▶︎トイレ研究家・日山のInstagramはこちら!
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