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コラム

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19MAGAZINE#2024.10

初参加多数!ブランディングツアー@小倉・下関

 9/20・21に北九州市小倉・山口県下関でブランディングツアーを開催。全国各地の企業訪問・街歩きを通してブランディングやデザインをインプットし、参加者同士でブランディング交流をしてもらうことを目的に19CLUB(ジュークアンリミテッドが運営するブランディングコミュニティ)で企画しています。今年からクラブメンバーの新規加盟者が増え、5月の岩手開催に続き、9月のツアーも半数以上が初参加メンバーというフレッシュなツアーになりました。岩手、新潟、埼玉、兵庫、愛媛、山口、福岡と全国各地からたくさんのメンバーに参加していただきました。

創業者・歴史の見せ方を学ぶ(TOTOミュージアム)

最高峰の企業ミュージアムで学ぶ
 今回の目玉は2つ。初日は北九州市小倉の「TOTOミュージアム」を見学。TOTO創立100周年記念事業として開設されたTOTOミュージアムには水回りの文化や歴史とともに、TOTOのものづくりへの想い、商品の進化が展示されています。ジュークでお手伝いさせていただくことが多い「ブランディング×本社・工場建設」は、企業の歴史や大切にしていることを普段から社員だけでなく、来客時も説明できるような仕掛けを設けることを心がけています。そんな演出を考える私たちが普段勉強しているのがこのTOTOのような企業ミュージアムです。今回は日々ブランディングを学ぶクラブメンバーも一緒に企業ミュージアムを見学しました。全国各地企業ミュージアムを見ている代表加藤がイチオシするTOTOミュージアム。大企業なので予算潤沢な表現方法ではありますが、中小企業でも実行できるヒントがたくさんあり、参加者には「できることから実行して欲しい」という思いで今回視察先の1つに選びました。創業者に感銘を受け立ち止まる人、歴史の表現方法を熱心にメモしていた人、サイン計画や表現に注視する人など、皆が思い思いにインプットしました。

ユタカ電業様お披露目イベント

社屋完成お披露目イベントに参加
 2日目は山口県下関市に移動し、ユタカ電業様の新社屋・工場お披露目イベントに参加しました。2021年5月からジュークと一緒にブランディングに取り組んでいるユタカ電業は山口県下関市に本社を置き、鉄道の設備メーカーとして日本全国の沿線で活躍しています。3年半のブランディング期間では関東支社のリノベーションや展示会初出展、キッズフェス初開催など様々なアクションに取り組んできました。そして、ついに新社屋・工場が完成。創業日の9/21を体外的なお披露目として設定しました。参加メンバーには「自分たちならどうするのか?」「どんな準備・演出・配慮が必要か?」を考え、体験してもらいました。もちろん、純粋にユタカ電業から企業ブランディングを学ぶ目的もあります。

スタッフ自らが案内する社内ツアー

ホスト企業にも学びとフィードバックを
 19CLUBツアーの特徴は、視察受け入れ企業もクラブメンバーであること。視察を機に「また来たい」「誰かに紹介したい」とファンを作ることをお伝えしています。視察の受け入れをしたことがない企業でも、資料や演出の面でジュークがしっかりと伴走しています。受け入れ慣れしているユタカ電業様でも、お披露目イベントとなるとそれは新たな挑戦。更なる経験値アップに繋げています。ツアー参加者の感想、加藤から「こうするともっと良くなる」などの声をしっかりホスト企業にもお伝えしました。
 次回のブランディングツアーは12/5@東京開催(今年最後!)です。

岩手経済戦略会議にパネリスト登壇②

 8/30、岩手経済同友会主催の岩手経済戦略会議2024にパネリストとして登壇しました。岩手県内の企業経営者や自治体関係者など約180名の前で「住みやすい岩手・住みたくなる岩手〜人口減少時代の地域づくり」について他パネリストともに意見を交わさせていただきました。

少子化の根源は地方企業!?
 毎回テーマが変わる岩手経済戦略会議。今年のテーマは「人口減少」でした。少子化対策=子育てしやすい街づくり、と通り一辺倒で思っていたので最初は正直あまり当社の事業には関係のないテーマだな…と思っていました。しかし、基調講演の天野さんが以前地元紙岩手日報の取材を受けた際のコラムを読んで、ハッとさせられました。そこにはまさに20年前の私?と思うことが書かれていました。結婚無くして、子なし。若い女性が地元で働きたいと思える企業の選択肢がない故に、首都圏に進学しそのまま就職。結婚し、子供が生まれたら環境を変えるのも…となりそのまま定住。地元には帰ってこない。大人も子供も首都圏に集中する。少子化の根源は地方企業だったのです。バタフライエフェクト、とも言える事象の根源に辿り着いた私は「これはコーポレートブランディングを生業とする当社でも力になれることがある!」とパネリストに選ばれたことに腹落ちしました。

地元に帰ってこない族だった私
 振り返ってみると私も進学時は、地元に行きたい大学がなく仙台で浪人。その後京都の大学に進学。就職は一応地元、東北で探してみるも、ここ!というところがなく結局東京で新社会人となりました。たまたま前職の中途採用の内容が響き、建設会社でしたが脱ゼネコンを図ろうと革新的な動きもありそうで、ここは面白い会社かも、とUターンしたわけですが、あの時情報収集のためになんとなく転職サイトに登録していなければ岩手には帰ってきていなかったと思います。当然そうなるとジュークアンリミテッドもこの世に誕生していないわけです。20年近く経つのに、まだ同じ現象が起きているのか…と記事を読みながらびっくりでした。しかも天野さんの話では、優秀な女性こそ、就職活動で地元の企業も一度は選択肢に上げて就活する、とのこと。しかし、企業側が適正な職を用意できない、事務仕事しかない、パート・バイトでなら、今女性はいらない、と採用に消極的ゆえ、結局首都圏での就職に落ち着いてしまうそう。都会も知った上で知見も広がり、でも働くならやっぱり地元がいいな、と思ったのに働く場所がない、というなんとも勿体無い話であります。

企業参観日でまずは知る・比べる体験を
 ブランディングカンバニーとしてこの問題に何が寄与できるか?を考えました。パネルディスカッションでは「企業参観日」を提案。読んで字のごとく「企業」を開き、誰でも「参観」できる「日」を作る。私はライフワークで工場見学や企業見学をするのですが、新潟の燕三条では「工場(こうば)の祭典」として10月の3日間、街を上げて小さな町工場から大きな企業まで一般の方がものづくりの現場を見学できる企画をやっています。私も行ったことがあり、それをロールモデルとして全国のものづくりの街でもこの祭典が行われます。この時間を集中させることで一般の方は「見比べる」ことができ、受け入れ企業は対応する人や準備にかかる時間といった「リソースの集中」ができる。企画者も「教えやすい」といったメリットがあります。すでに日常的に見学・視察を受け入れている中小企業はごくわずか。ジュークでは見学受け入れこそ=人が集まる会社=人が情報やお金を持ってくる=だからオープンカンパニー・ファクトリーをブランディングの過程で実現しましょう、と指南しています。外部の人の目に触れることで、自社を見つめ直す機会にもなりますし、もともとポテンシャルを持っている企業は人目に触れることで自信をつけて飛躍することもできます。とにかく「機会」を増やす。そんなことに寄与できれば、ひいては人口減少にも私たちも寄与できる。私たちの事業が、クライアントさんが生きる各地元の人口減少対策に繋がることに気がついたそんな貴重な登壇でした。

 企業参観日。まずは地元盛岡でやりたいと思って宣言させて頂きました。

【NEWS】ジュークの最新ニュース

19CLUBツアー@小倉・下関開催
 総勢21名が参加したブランディングツアーを小倉・下関で開催。岩手、新潟、埼玉、兵庫、愛媛、山口、福岡と多くのエリアから集まりブランディングのインプットと交流を行いました。次回は12/5@東京!

ユタカ電業新社屋お披露パーティー
 ブランディングから設計までトータルでお手伝いしていたユタカ電業様新社屋が完成。創業日9/21にお披露目パーティーが行われました。全国から経営者仲間が集まり代表加藤はご挨拶する時間も頂きました。

岩手日報社より取材を受けました
 8月の企画展、岩手経済戦略会議での登壇の取材に続き、9/30に岩手日報社様より誌面の名物企画「人」のコーナーの取材を受けました。事業や社風、趣味など多岐に渡りヒアリング。10月以降に掲載予定です。

 

【INFORMATION】

●10/24-25デザインスクール@ジュークアンリミテッドオフィス(盛岡)
●12/6(金)19CLUBブランディングツアー@東京<2024FAINAL!>

 今回紹介する建物は栃木県那珂川町にある「那珂川町馬頭広重美術館」。写真だけでわかる方がいるかもしれませんが、コラムでおなじみの隈研吾氏設計の美術館です。

稜線のような屋根形状と自然に生えた苔が土地に馴染んでいる

 川と山に挟まれ湿度が高く、車を降りた瞬間から苔むした空気を感じるようなエリアに建っています。屋根のルーバーには経年劣化で苔が生えており、平屋というサイズ感が山の稜線とも重なって昔からそこにあったような佇まいが感じられました。

連続性のある屋根と外壁デザイン

 外壁を同一材でまとめ、連続性を持たせるデザインが隈建築の特徴です。この美術館も木のルーバーを外壁と屋根に設け、どこまでも続いていくような連続性があります。樋や設備などは排除し、すっきりとした外観デザインにまとめ、よく見ると出入口の上部には意匠的に隠された内樋が仕込んでありました。

浮世絵の世界観を和紙でイメージ

 歌川広重の浮世絵のイメージを彷彿とさせる和紙の間仕切りはソリッド感がありながらも柔らかく、日本文化を表現しているように感じます。直線的なルーバーに和紙を巻き付けて間仕切りとしている部分もあり、堅と柔のバランスを取っているような印象を受けました。建物自体は直線的でありながらも、木材の経年劣化で朽ちた柔らかさと和紙の手触りの柔らかさが建物全体のバランスの調和を図っていました。
 土地の特徴や建物の用途、空気感や素材までが連なっているような名建築でした。

旅のおしえ
~形状の使い倒し~
 隈設計を数多く見てきて気がついた特徴が“形状の使い倒し”です。外壁や屋根に多用している「ルーバー」を什器やクッションカバーなどにも展開。各所に点在させることで空間全体に統一感が出て、まとまった印象のデザインになると学びました。

  今回ご紹介するのは広島県尾道市にある宿泊できる複合施設「LOG」のトイレです。「LOG」は集合住宅として昭和38年に建てられたアパートをインドの建築集団「スタジオ・ムンバイ」がリノベーションした施設です。

和のデザインでまとめられたトイレ

 建物はよくある日本の団地の造りで、元々部屋として使っていた空間の壁を撤去し半屋外の開放的な空間に変化させていました。外壁はピンクベージュの優しいカラーで仕上げており、元々アパートだったとは思えないくらい品のある設えでした。

マットなホワイトタイル

 トイレは建物の雰囲気に合わせて柔らかく和モダンを感じさせるようなデザインでした。壁はマットな質感のホワイトカラーの丸いモザイクタイルで全面を仕上げられており、小さくころっとした見た目がとても可愛らしかったです。
 電球は天井や壁面に取り付けられており最小限の優しい光で照らしている仕様が温かい雰囲気を作り出していました。

乳白色のパーテーション

 トイレのパーテーションは木枠に乳白色のアクリル板のようなものをはめて作られています。透明なガラスとは違い、乳白色のたアクリル板なので、使用中は人影が見え人の気配を感じられるようになっています。内と外とでつながりが感じられ良いなと思いました。アクリル板は光沢感のある素材なので光を反射し、トイレの通路が明るく感じるようデザインされていました。
 日本ではなかなか見かけない素敵なデザインなのでぜひ立ち寄ってみて下さい!

<LOG>
「LOG」は尾道の観光名所・千光寺につながる坂道の途中にあります。建物内にはショップなどもあり、宿泊しない人も利用できるので観光の際は寄ってみてください。
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〒722-0033 広島県尾道市東土堂町11-12
尾道駅から徒歩14分
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 今回ご紹介するのは、青森県弘前公園前にあるSTARBUCKSです。弘前公園前店は日本で有数の桜の名所に位置し、日本で2店舗目となる登録有形文化財の店舗です。1917年に陸軍師団長の官舎として設計され、切妻の屋根が特徴的です。

切妻屋根が特徴の築107年の弘前公園前店

 店内は建物そのものの意匠を活かした空間になっており、日本庭園を望む和室は弘前の伝統工芸や地域の素材を用いて現代風にアレンジされた座席になっていました。丸テーブルやボックス席など木のぬくもりを感じられる落ち着いた空間でひとときを過ごせます。天井や壁面にも青森県産のヒバの木が使用され、壁土には青森県の名産であるホタテの貝柱と店舗で使用したコーヒーの豆かすが練りこんでおり、一つ一つ丁寧に作られていると感じました。

弘前の伝統工芸があふれる和室(公式サイトより画像引用)

 元控室だった部屋からは弘前公園が望めます。桜の名所になっていますが、秋は紅葉が美しく、一年を通じて四季とCOFFEEを楽しむことができます。壁面に飾られた建物の写真からは100年以上の歴史を知ることができ、土地・産業・伝統を大切にしたいという想いが込められている店舗でした。

桜や紅葉を楽しめる元控室(公式サイトより画像引用)

 悩んでいる時、仕事をしたい時、読書をしたい時、1日何回でも行ってしまいたくなる空間、そこが「MY STARBUCKS」。

(公式サイトより画像引用)

<スターバックスコーヒー 弘前公園前店>
 弘前公園前店は大正レトロな雰囲気が楽しめる落ちついた店舗です。店舗限定で販売している弘前公園の桜をデザインした津軽びいとろグラスも人気です。
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〒036-8207 青森県弘前市上白銀町1-1
営業時間 / 7:00-21:00
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Vol.34 建物の強度や設置条件を確認する

 クレーンを設置する際は、まず建物の強度や設置条件を確認することが重要です。クレーンの種類や形状に応じた適切な設置スペースが必要であり、レールを設置する壁や梁は十分な強度が求められます。特に古い倉庫や工場の場合、建物が老朽化している可能性があるため、過去に強度を確認していたとしても時間の経過とともに状況が変わっていることがあります。そのため、専門家に依頼して再度確認を行うことが推奨されます。建物の図面や構造計算書をもとにした強度確認を怠らないことが、安全なクレーン設置の鍵です。

 倉庫や工場には寿命がありますが、定期的な点検や修繕を行うことで建物の寿命を延ばし、長期間にわたって安全に使用し続けることが可能になります。これにより、メンテナンス費用や修繕費用の抑制も期待できるため、建物の状態を常に把握し、早めの対策を講じることが大切です。

5歳5ヶ月…キャンプのおままごとにハマり、毎晩キャンプ

\一緒の本を読む&映画を見て気持ちを揃える/

▶︎おすすめBOOK

建築MAP東京
企画・編集=ギャラリー・間 
2003年1月

ツアーで訪問したTOTOは社会貢献活動の一環として建築・デザイン・生活文化をユニークな視点でとらえた書籍を発行しています。建築めぐりの楽しみを喚起する前例のない書籍として、空前のベストセラーになったのがこちら。代表加藤も学生時代に購入し、東京の建築巡りに勤しんだ原点の1冊。(現在は入手困難)

▶︎おすすめMOVIE

トイレのピエタ
2015年 日本
監督:松永 大司
主演:野田 洋次郎

ツアー見学先のトイレに絡んだ作品を紹介。死後、十字架から降ろされたキリストを母マリアが抱く姿を描いた芸術作品「ピエタ」。トイレシーンは監督がこだわりすぎて何個もトイレを作ったそう。さて、ラブストーリーなのにトイレとピエタがどう繋がるかはぜひご鑑賞を。RADWIMPS野田洋次郎の俳優デビュー作。

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