19MAGAZINE#2025.4


若手経営者等連携促進フォーラム講演
3/18(火)エスポワールいわてにて若手経営者等連携促進フォーラム(主催:岩手県中小企業団体中央会、岩手県中小企業青年中央会)が開催され、県内50名の若手経営者に向けて、代表加藤が「人があつまる企業デザイン~輝く魅力はすでにある~」と題して、コーポレートブランディングの必要性とコツを講演しました。会場内にはジュークが手がけたブランディング事例のポップアップコーナーも設け、休憩中も多くの方にブランディングの重要性をお伝えすることができました。当フォーラムは次代を担う青年経営者等の資質向上を図るとともに、異業種連携等による事業視野拡大に資することを目的に開催されており、過去にはアウトドアブランド「スノーピーク」とのコラボで有名な株式会社京屋染物店の蜂谷代表やサッカーチームいわてグルージャ盛岡の元監督・秋田豊氏など地元のアイコンとなる方が講師として登壇しています。そんな名だたる方が登壇する舞台にジュークアンリミテッドもお声がけいただきました。

若手による若手のための講演
登壇のきっかけは事務局からの講師依頼でした。昨年登壇した岩手経済戦略会議や企画展など近年の活動が目に留まり連絡をくれたとのこと。お会いしてお話を伺うことにすると、20代の若い事務局の方がいらっしゃいました。フォーラムの趣旨と同じく、若い方が若い経営者のためにジュークが一助になる、と感じてくれたことに一貫性を感じ嬉しくなりました。
岩手県の経営者平均年齢は62.6歳(2024年3月時点「全国社長年齢」分析調査 帝国データバンク調べ)。秋田と岩手が2トップで高齢だそうです。40代の経営者は全国で15.7%しかおらず、3月に44歳になった加藤ですが、経営者としては若い部類に入ります。ちなみに女性経営者は全国でたった8.4%(2024年帝国データバンク調べ)しかおらず、40代(15.7%)×女性(8.4%)となると経営者としてはマイノリティであることがよくわかります。数字からもニッチな存在であることがわかる加藤率いるジュークだからこそ、若い経営者の方にお伝えできるメッセージがあると思い、登壇を快諾しました。
バックボーン初公開
お客様と話す際に社長になった経緯や初めての職、入社の経緯などをよく質問する加藤。今回は経営層の集まりなので、本題のブランディングの話以外に社長になったバックボーンにも興味がある方もいるのではと考えました。そこで高校浪人、大学浪人を経て2年の遅れをとっていたこと。3代続く医師の家系にも関わらず、継がずにデザインの道に進んだこと。地元を離れ仙台、京都、東京と住んでみてわかった地元の良さ。大学の恩師に言われたことが今の仕事に影響していることなど、自己紹介を兼ねて幼少期から経営者になるまでの色々な話を初公開しました。

軸づくりワーク解説
普段は宿題をしていただきながら半年をかけて行う“自社のらしさ”を発見する軸づくりワークショップの中身を公開。参加者からは「90分では足りないくらいもっとお話し聞きたかった」「CIを随分変えてきたつもりですが、ジュークの事例くらい突き抜けないとなあ、と今回の講演は刺激になりました」と好評いただきました。

「はじめよう」新工場+ブランディング@岩手
〜企業ミュージアムコーナー完成・一般公開〜
雄大な岩手山の麓、岩手県八幡平市でプラスチックパーツの製造を行っているニュートン様。2023年9月からブランディングに取り組み、昨年12月に完成した松尾工場では内外装デザイン・サインデザイン・ツールデザイン・建設プロジェクトドライブと総合的にお手伝いさせていただきました。昨年末は社員向けのお披露目会も開催。工場建設チーム、ブランディングチーム以外の社員さんにも新工場に盛り込んだ思い、オープンファクトリーに取り組む意義を理解していただきました。そして、この春からの一般向けオープンファクトリーに向け、この3ヶ月更なる準備を重ねてきました。
大切な数字21を活用
ニュートンは、ニュー(2)トン(1)の社名にちなんで大切にしたい数字を「21」に設定。取り組みを21個にまとめる、21日にプレスリリースを打つなどこれまで21にこだわってきました。もちろん日程にもこだわり、外部向けのお披露目日は3/21(金)に設定。意味のある数字を持つことで様々なことが効率的に決まります。これもブランディング効果の1つです。
オープンファクトリー はじめの一歩
3/21と決まれば、早速準備です。社内向けイベントとは異なり、社外を対象としたイベントでは多くの検討事項が出てきます。お客様・パートナー企業地域の方・学校関係者など目的に応じて来場者を事前に検討する必要があります。どこまで工場内を案内するか、撮影禁止エリアも綿密に検討しました。ブランディングチームだけの見識ではなく、経営者・営業・製造の目線でも考えることが多くあり、オープンファクトリーに取り組むことで社内を巻き込み、会社としてのルールを考えるきっかけとなります。考えることが多くて大変ですが、大切な数字にちなんだお披露目日も設定しているため延期するわけにはいきません。この「ずらせない」こともスケジュール管理には大事な役割を果たします。一度ルールの設定ができれば後は見学の回数を増やし、より良い見学となるようアップデートを繰り返すうちにその会社らしいオープンファクトリーになっていきます。
企業ミュージアムコーナー新設
お披露目だけではなく、今後の社内外活動の活発化に備えてブランディングチームを冬のうちに増員。工場見学は子ども〜大人までいくつになってもワクワクするもの。社員にとっては通常業務に加えた新たなルーティンとなりますが、ブランディングの目的である採用・離職率改善・社員満足度アップひいては売上アップのためにも自社工場を最大限有効活用できるのは製造業の強みです。お披露目に合わせてエントランスに「ニュートンギャラリー」を新設。ジュークでプロデュース・デザインしました。白を基調にしたシンプルなエントランスで一際目を惹くよう、コーポレートカラーのアップルグリーンで全体をまとめ、フォトスポットになるようにもデザインしました。ギャラリーは社長のご挨拶に始まり、製品ゾーンとブランディングゾーンで構成。製品ゾーンはパーツ製品だけでは専門的でわかりにくいため、初見でも何のどこに使われているのか一目でわかるように解説パネルを設置。ブランディングゾーンは2023年から取り組んでいるブランディング活動の一環で作ったパンフレットやユニフォームなどの制作物を展示しています。

医師家系なのにデザインの道へ
先日、若手経営者等連携促進フォーラム(主催 岩手県中小企業団体中央会、岩手県中小企業青年中央会)で講演させていただきました。「人があつまる企業デザイン ~輝く魅力はすでにある~」と題しコーポレートブランディングの必要性とコツをお伝えしました。参加者は岩手県内の若手経営者50名。私が普段セミナーや講演を聞く際、内容はもちろんですが、講師がどんな人か、何に価値観を持っているのか、趣味は、なぜこの会社にいるのか、社長になった経緯など、とにかくバックボーンが気になるタイプ。お客様にも同じような質問をよくしています。そこで、皆さんも同じならいいな、と思い、今回は自己紹介をいつもより長めにお話しする構成にしてみました。
医者家系で育ちました
隠しているわけではありませんが、普段そこまで詳しく話す時間がない幼少期の話から今回はスタート。私は祖父、父、兄と三代続く肛門科の娘です。1959年に軍医だった祖父が盛岡市肴町で有床診療所として始めました。当時でいうところの赤髭先生的な人で、痔だけではなく町医者として先生にお世話になりました、と言われることが今でもあり、地元ではそこそこに有名人だったのだと幼心に感じていました。岩手県医師会の会長を務め、ロータリーにも積極的だったので人脈も太い。そんな印象です。祖父は99歳で亡くなりましたが、葬儀の際に全国から大量のお花が届き、その量にびっくりしました(半分以上は喪主である父の関係)。
父も二代目として医師、そして兄も当然のように医師の道へ。私も医師を志してみて時期もありますが、学力が足らず断念。でも医療には関わりたいと思って薬剤師はどうだろう?と思うも高校の化学の授業が全然ダメで薬剤師も断念。化学方程式が全く頭に入ってこない。しかし理系に進んだことで、数学と物理はいける、ということに気がつきました。
私だけ医療ではない道へ
小学校高学年〜中学校、高校とWOWOWで当時やっていたファッション通信をビデオに録画して見るほど、なぜかファッションに興味があり、デザインや建築にも当時から関心を示していた私。映画好きな父の影響で映画もよく観る子でした。カルチャー、ファッション、デザイン。どうやらこの界隈が好きだ、という自覚が芽生え大学は建築かデザインに進むことを決めました。
いつぞや母がイタリア旅行に連れて行ってくれたことがあったのですが、家族旅行ではなく女二人旅。あれは一体なぜ行ったのだろう?と社会人になってからふと疑問に思い、母に質問しました。すると「あんた、建築好きだったでしょ、多分。だから建築といえばイタリアかなーって。世界遺産とか古い建物とかたくさん見せたいな、と思って」との回答。母は見抜いていたのでしょう。さすが母。後から知ったのですが母の家系にはデザイナーがいたそうで、私にはDNAレベルでデザインへの興味は組み込まれていたのかもしれませんし、母のそれに気が付く波長があったのかもしれません。
二浪の寄り道をかます失態
そんなこんなで、最終的に大学は京都工芸繊維大学のデザイン経営工学科空間デザインコースに進学するわけですが、そもそも地元の進学校に入学するのに一浪。大学に入学するのも一浪…と実質二浪するという寄り道をかましてしまい、親に金銭的負担をかけてしまいました。お医者さん=裕福 というのは皆がそうではなく、勤務医から開業したタイミングでもあったので金銭的にも忙しさも我が家はハードモードな時期。しかし末っ子。そんなこととは梅雨知らず、親には当時大変な苦労をかけてしまったと猛反です。
しかし、大学浪人の1年を仙台で下宿生活をして思い出深い地になりました。最近お仕事があり仙台に頻繁に足を運ぶようになったのですが、地図を見なくても歩ける街が地元以外にあることに特別な感情を抱きます。仙台、学生時代を過ごした京都、そしてお仕事で通った街。どんどんアナザースカイが増えていくのが嬉しいのです。

今回は東京・中目黒の目黒川沿いにある「STARBUCKS RESERVE® ROASTERY TOKYO」を紹介します。この“ロースタリー”と呼ばれる建物は世界に6都市(シアトル・上海・ミラノ・ニューヨーク・東京・シカゴ)の限られた地域にしかない特別なスターバックスで、東京のロースタリーは建築家・隈研吾氏による設計です。

外観は隈氏らしい木材を多用した柔らかなファサードが印象的。館内に突如として現れるカッパーキャスク(巨大な銅製の貯蔵庫)の銅板は光の当たり方によって柔らかいピンクゴールドに輝き、目黒川に沿って伸びる桜並木と一体感を感じさせます。カッパーキャスクの銅が無機物に感じられないくらい、建物全体が自然の一部のように浮かび上がるような錯覚を覚えました。都市の中でも自然を感じ、溶け込むような空気感が漂っていました。

桜にちなんだカッパーキャス館内は4階建で、それぞれの階に異なる体験が用意されています。1階は焙煎機を備えた工場のような造りで、コーヒーの香りに満ちた空間で本物の素材を感じることができます。2階に上がるとカクテルバーやティーバーなどが現れ、空間のトーンが徐々に変化していきます。吹き抜けを中心にした設計が、視線の抜けと空間的な広がりを生み、何度も訪れたくなるような飽きさせない構成になっていました。
自然の空気感を建物に取り込みつつ、コーヒーを飲むだけではない施設体験そのものがデザインされている名建築でした。

旅のおしえ
~天井の立体感と照明計画~
天井を見上げると、均一ではなくまばらに配置されたピンスポットが目につきます。複雑な立体構成の中に座席を配置するため、凹凸を付けた特徴的な天井のデザインで全体の空間をまとめることで、散在された照明の存在感をうまく消していました。


今回は2023年にオープンした北海道の野球場「エスコンフィールドHOKKAIDO」のトイレをご紹介します。

こちらのトイレは不特定多数が一度に利用することを想定して出入口をそれぞれ異なる位置に設け、トイレ内を一方通行にして利用者の動線が交差しないように計画されていました。入口にはトイレの空き状況が一目でわかる液晶画面があり、使用前に確認できる便利な仕組みになっています。遠隔センサーと液晶画面を連携した最先端のトイレだと感じました。

床には順路を示したピクトサインが英語表記で入っており、海外の利用者にもわかりやすいよう配慮されていました。
トイレの内装は球場の雰囲気に合わせてベースカラーに“ブラック”、アクセントカラーに観客席の椅子と同じ色の“ディープグリーン”が採用されており、球場との一体感を感じました。

それぞれの出口には様々な野球選手の名言がサインとして施されており、私が使用した出口でダルビッシュ有選手の名言を発見!見つけると思わずワクワクとするような遊び心のあるトイレでした。
<<おすすめトイレアイテム>>
FLAMINIA(フラミニア)の洗面ボールは丸みのある形状が可愛らしい手洗いです。カラーバリエーションが日本のメーカーにはないラインナップになっているので少し変わった洗面を選びたい時におすすめです!

<エスコンフィールドHOKKAIDO>
谷尻誠設計のエスコンフィールドは世界初、球場内に天然温泉・サウナを取り入れて話題になりました。試合がない日は施設を自由に利用できるので、ぜひ訪れてみてください!
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〒061-1116 北海道北広島市Fビレッジ1番地 収容人数 / 3万5千人
▶︎トイレ研究家・日山のInstagramはこちら!


今月号は1874年デンマーク創業の照明メーカー「ルイスポールセン」をご紹介。
“形態は機能に従う(機能を追及すれば、おのずと美しいものができるという意味)”というスカンディナビア・デザインの伝統に基づいて製品づくりを実践しています。製品・機能・デザインはどれも自然の光のリズムを反映&意図しており、製品のすべてのディテールが光に始まり、光に終わります。

1924年、ポール・ヘニングセン(ルイスポールセン創業者)はグレア(光の眩しさ)を和らげるために様々なプロトタイプを製作し、苦心の末、ついに「パリランプ」を生み出します。“複数のシェードを使う”という発想の原点となった伝説的なモデルです。

時は6枚のシェードが使われていましたがグレアの問題は完全には解決しきれませんでした。長年の改良の結果、シェードを3枚に減らし(3シェードランプシステム)、シェード内部に対数螺旋の原理を応用することで、長年にわたり未解決だったグレア問題に終止符を打ちました。その成果が「PH5」です。枚数螺旋は中心から直線を引いて螺旋上のどの点と結んでも、常に角度が一定になるユニークな性質です。ヘニングセンは、螺旋の中心に光を置くことで光が均等な角度で螺旋にあたり、外側へ広がっていくことを発見しました。こうして、彼は数学的なアプローチでグレアフリーの照明を発明したのです。北欧デザインの照明の歴史において、ポール・ヘニングセンという人物の影響は計り知れません。

<ルイスポールセンを実際に見るなら…>
・ルイスポールセン東京ストア…東京都港区北青山3丁目2-2A.Yビル1F・2F(営業時間/11-19時)
・ルイスポールセン大阪ストア…2025年5月1日オープン
▶︎デザイナー・赤坂のInstagramはこちら!


まるでテーマパーク!「観光工場」と呼ぶオープンファクトリー@台湾
台湾北西部の桃園にある「チョコレート共和国」は台湾のチョコレート製造大手“宏亜食品”が運営するチョコレート博物館。まるでチョコレートのようなユニークな外観にワクワクします。見学ルートは子どもから大人まで楽しめるよう工夫されており、カカオの実からチョコレートができるまでの製造工程を実際の機械を見ながら学ぶことができます。カカオ豆を焙煎する工程の音と香ばしい香りが館内に広がり、五感で感じることができます。自分でチョコレート作りを体験できるコーナーもあり、世界に一つだけのオリジナルチョコを作れるのも嬉しいポイント。大人たちも夢中になって楽しむことができます。チョコレートの奥深さと職人のこだわりを肌で感じることができるこの博物館は、見学や体験ができるだけではなく、社会貢献の一貫として地元の吹奏楽部の子どもたちに音楽発表会の会場として場所貸しもしています。運が良ければ無料コンサートが鑑賞できるかも!

6歳0ヶ月…おかーさんえにっきも6年目に突入


信幸プロテック50thイベント@岩手
5/10(土)に開催される信幸プロテック様の50周年イベントの準備が佳境に入っています。ジュークでは会全体のプロデュース、運営チームへのアドバイス、会場装飾デザインなど全面でサポートしています!

ニュートン松尾工場お披露目会@岩手
昨年末に完成したニュートン松尾工場で一般向けお披露目会を3/21(金)に開催。パートナー企業を中心に縁の深い方々に参加いただきました。展示物から配布物、運営とブランディングチーム自ら企画!

若手経営者等連携促進フォーラム講演
3/18(火)に岩手県中小企業団体中央会、岩手県中小企業青年中央会が主催するフォーラムで若手経営者50名に向けて代表加藤が講演。会場にはジュークの様々な事例をポップアップ展示しました。


●5月健康月間(健康診断&人間ドック)
●5/10(土)信幸プロテック様50周年イベント「いわてから未来の働き方を考える」@ホテルメトロポリタン盛岡ニューウィング 4階