19MAGAZINE#2024.1
ユタカ電業本社建て替えプロジェクト@山口
昨年8月から着工しているユタカ電業様の本社新築工事。昨年9・10月に杭の打設工事、11・12月に基礎の配筋、基礎コンクリートの打設を終えました。お客様と打合せを密に行い、建設会社&各業者とコミュニケーションを取りながら、プロジェクトを進めています。
杭の打設
計画地のボーリングデータを元に今回は鋼管杭を採用しました。鋼管杭はその名の通り、鉄の鋼管を支持層(想定していた強度の層)まで深く打ち込み、建物全体の荷重を杭を通して地盤まで伝える工法です。ここで重要になってくるのが支持層まで杭の先端が到達しているかどうかです。杭を掘り進める時の抵抗力のデータを見ながら支持層まで到達しているかどうかを、現場に立ち合い確認しながら進めます。
基礎の配筋
杭の打設が終わると建物の柱と杭の間の基礎の施工に取り掛かります。基礎は鉄筋コンクリートで造るため、鉄筋が想定通りに配置されているかチェックが必要です。コンクリートが圧縮力に対して力を発揮するのに比べ、鉄筋は引張力に対して力を発揮するため、鉄筋が曲がって配筋されると想定した強度が出せなくなります。そのため、鉄筋の種類や本数だけでなく、鉄筋が歪むことなくまっすぐ配置されているかを現場でチェックします。
鉄筋が組み終わったら、コンクリートの形状を決める型枠を配置します。鉄筋は錆に弱いため、外気に触れないよう、所定のフカシ(※フカシ…鉄筋コンクリート外壁は、ひび割れ対策として、躯体の壁厚よりも20mm程度厚くします)を見込んで型枠の位置を決めていきます。この鉄筋からの所定のフカシの厚さが正確に確保できているかがポイントになります。
基礎コンクリート打設
鉄筋、型枠を組み終えたら次はコンクリート打設です。コンクリートは想定された強度を発揮するために、セメントや水、骨材などの配合計画書が所定通りの調合になっているかどうかをチェックします。打設当日は一番始めに生コンの品質に問題がないかどうか現場で受け入れ検査を行います。問題がないと判断されたらコンクリートの打設が始まります。流し込むコンクリートに偏りが生じないよう、バイブレータを用いて鉄筋の隅々まで流し込まれているかどうかを確認します。
プロジェクト進行について
これらの工事監理業務とは別に、建物の細かい内容を決める定例打合せを月2回お客様と行います。今回は工場兼本社ビルなので、内装デザインの提案だけでなく、セキュリティや扉の開錠方式、LANや電話配線等の打合せ、工場内のクレーンやシャッターのサイズ、コンセントやスイッチの位置、照明計画など決めなければならないことは多岐に渡ります。一つ一つお客様にご提案しながら決めていくため、打合せに4時間かかったこともありました。着工前は建設プロジェクトメンバー全員に参加してもらっていましたが、時間がかかるという点からお客様と相談し、事前に打合せ内容を共有することで参加メンバーを抜粋して進める方式にしました。お客様の業務時間も限られるため、打合せの進め方はプロジェクトごとに判断する必要があります。
9月21日にお披露目パーティを予定しています。そこへ向けて、お客様が満足できる本社建設プロジェクトになるよう引き続き進めていきます!
2023年を振り返って&2024年初個展
2023年はたくさんの事例が完成しました。タケダ様ショールーム+オフィス(新潟)、東洋商事様オフィス(広島)、シンコーメタリコン様工場(滋賀)、末吉ネームプレート製作所様工場(神奈川)、藤沢工業様物流倉庫(岐阜)。中には、完成まで3年を費やした案件や5年のお付き合いを経て、ようやく完成した案件も。積み重ねた時間が顕在化しました。作って終わりではなく、その後のパーティーのプロデュースも行いました。昨年5月にシンコーメタリコン様工場のお披露目パーティー、9月に五日市塗装工業様(岩手)の社長就任パーティーをプロデュース。お客様の「ハレノヒ」まで携わっているのが私たちならではの特徴です。改めて私たちの仕事の素晴らしさとお客様の社運の一端を担っていることを感じました。大きな責任があるからこその大きな喜びです。2024年も新しいプロジェクトが全国各地でスタートします。新たな仲間2名を迎え入れた新体制で臨んでいく所存です。
上記事例が増えたことで、当社の仕事を具体的にお伝えできる状態になりました。2024年は「お客様への恩返し+身近な方に業務内容を知って頂く機会」として初の個展に挑戦します。自慢のお客様、自慢のスタッフが作り上げた仕事をどうすれば多くの方の目に触れさせることができるか?をずっと考えていました。昨年、友人のデザイナーが地元で個展を開催したのを手伝って「これだ!」と確信しました。展示会出展とは違い、完全オリジナル企画として個展です。まずは、地元である岩手でこの夏挑戦してみます。8/16-20@盛岡市教育会館ふれあいギャラリーで開催予定です。
個展は大人版授業参観日でもあります。ご家族・ご友人・恩師など身近な方にお誘い合わせの上、見にいらしてください。
【NEWS】ジュークの最新ニュース
1/4新年祈願・初コムパン開催
役員、スタッフ(お子様)と盛岡八幡宮で新年祈願を行いました。1年の社業繁栄、健康、安全を願いました。昼食はコミュニケーション初めに豚汁&おにぎりを手作り!
北海道にて民泊事業スタート
元スタッフ小松原(設計士)が、北海道移住の新規事業として洞爺湖壮瞥町で民泊をスタート。人気リゾート地ニセコにも近いエリア。こちらから予約可能!
【INFORMATION】
●2/22 ワークショップ@岩手(あなたは何色!?チーム力UP エマジェネティックスセミナー)
●3/15 ブランディングツアー@東京(空間デザインの知識をつける日本最大の建材イベント)
今回紹介する建物は広島県広島市にある「猫屋町ビルヂング」。サポーズデザインオフィスが中古ビルをリノベーションしました。1階が飲食店、2階がギャラリー、3階がサポーズデザインオフィス本社、4階がイベントスペース、5階がサウナという「食べる、働く、ととのう」を体感できる商業施設。昨年秋、オープンイベントに参加しました。
(外壁にサビ塗装を施した特徴的な外観)
特徴的だったのが5階のサウナです。本場フィンランドでは大事な商談をサウナでも行うほど仕事&サウナは密接につながっています。一方、日本ではまだその事例も少なく、本社ビルにサウナを導入することは時代の先を行く発想でした。町中のど真ん中にある建物内のサウナですが、屋上の床を抜いて直接外気に触れられる環境を整えたり、視覚でも楽しめる本格的な植栽を配置することで、ただの福利厚生ではない「ととのう」ことへの本気度が感じられます。その本気度がサウナ空間をより上質に演出しており、地域開放のサウナとしてマネタイズしていくことも見据えたレベルの高い設計を行っていました。
(サウナ室から眺める本物の植栽)
サポーズデザインオフィスの特徴として雰囲気が良いだけの商業施設(空間)を作るのでなく、それをどのように使い倒して、お金を生み出してくかというビジネスの視点も持っており、私たちもその視点を持ちながらデザインしていく必要があると再認識させられた名建築でした。
(屋上床を抜いたととのいスペース)
旅のおしえ
~水回りのデザイン~
一般的に、既製品を選択する水栓金具まで自社でデザインしていました。メーカー保証が付かない分、自社ビルだからできたという要素は強いと思いますが、とはいえそのディテールまでを妥協しない所に空間デザインのレベルの高さを感じました。
今回ご紹介するのは、三ノ宮から3駅のセンチュリオンホテルヴィンテージ神戸内「サウナリゾートオリエンタル神戸」です。ホテルに併設されたSPA施設でありながら、毎日アウフグース(ロウリュ&熱波プログラム)を開催し、神戸内から本格的なサウナー達が集います。熱波師によって内容の違うアウフグースは非常におもしろく、自分の参加した回は福山雅治のメドレーを聞きながら、ヴィヒタ(白樺の葉をブーケ状に束ねたもので、直接肌を叩くことで発汗&血行促進)を使用。様々なアロマ氷で香りとロウリュを楽しみました。外気浴はありませんが、水風呂はキンキンの9度以下でしっかりととのうことができました。最寄駅から神戸空港まで電車で10分の好アクセス、出張中の疲れた身体に最適なサウナでした。それでは、ナイスサウナ!
(清潔感のあるサウナ室)
(320㎏のケルケスストーンで楽しむロウリュ)
<サウナリゾートオリエンタル神戸@兵庫県神戸市>
センチュリオンホテル系列が誇るサウナ&SPA施設です。
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〒650-0045 兵庫県神戸市中央区港島1丁目1-6
センチュリオンホテル ヴィンテージ神戸 2F
営業時間/24時間営業(月・火除く)
Vol.25 都道府県知事への届出や手続きの流れ
【3-1】要措置区域に指定された場合…土地の活用をするためには、土壌改良工事などで汚染を除去する必要があります。
【3-2】形質変更時要届出区域に指定された場合…都道府県知事へ届出をすることで、土地の形質変更が可能です。
土地の形質変更とは、地盤改良や採掘、盛土、杭・鋼矢板の打設などで、基礎工事はほぼ該当します。土壌汚染やそれによる健康被害の恐れがある土地については、土壌汚染対策法で調査や対策が定められています。調査により土壌汚染が判明した場合は、健康被害の有無などから「要措置区域」「形質変更時要届出区域」のどちらかに指定されます。
規定区域に倉庫や工場を建てたい場合、形質変更時要届出区域では事前に都道府県知事へ届出が必要です。要措置区域はそのままでは活用ができず、土壌改良工事などで汚染を除去する必要があるので注意しましょう。
(重厚感があり大阪城に馴染む石材のファサード)
今回も前回に引き続き、大阪城近くにあるもう1つの公衆トイレをご紹介します。
トイレは大阪城近くの人が行き交う広場にあります。そのため、広場側に向いたファサード(建物の正面)にはトイレの入口を設けておらず、建物の横から入るような動線になっています。人目が気にならないように配慮されていました。
(ファサードを建物より高くしている)
ファサードの高さをトイレの屋根よりも高くすることで、トイレ前のオープンスペースとトイレ自体を区分して、パーソナルスペースを確保していました。出入口側のファサードにスリットを設けることで、人目をある程度遮断しつつも、スリット部分から人の気配をやんわりと感じられるようになっており、閉鎖的になりすぎないように工夫されていました。
(出入口側にはスリットを入れている)
ファサードの外壁材には青色と土色のマーブルという独特な色合いの石材を使用し、大阪城に合う重厚感のあるシンボリックなトイレになっていました。
公共の屋外トイレはパーソナルな場所である一方、誰でも利用できるが故に犯罪も起きやすい場所でもあります。閉鎖的にしつつも、開放感を持たせ、ある程度人目にもつくようなバランスと配慮が必要になります。今回のトイレのように、周りの環境を考慮しながら入口の位置を決めることで、公衆トイレならではの課題が解決できると感じました。
公衆トイレという“小さい空間”だとしても、配置計画は大切だと改めて感じました。
<大阪城公園>
大坂城特別史跡地に所在する広大な歴史公園で大坂城天守閣の建つ観光名所。公園内にはカフェなどの飲食可能な施設があり、季節の自然も一緒に楽しめます。
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〒540-0002 大阪府大阪市中央区大阪城1-1
営業時間/常時開園・休園日なし
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(ホテル1階ロビー内にある落ち着いた雰囲気の店内)
はじめまして!365日coffeeを飲まない日はない新入社員の赤坂真純です。
深煎りの美味しいコーヒーやドリップ、ラテ…フラペチーノ。様々な飲み方の楽しさ、コーヒーの奥深さを教えてくれたのが私の心の師匠「STARBUCKS(スターバックス)」です。いつもの笑顔で出迎えてくれる嬉しさ、くつろぎの空間に身をあずける心地良さに、スターバックスは私のもう1つの居場所になりました。
(雰囲気が統一されたインテリア)
今月から12回に渡り、世界中で愛されるスターバックスの魅力を発信していきます。記念すべき第1回に選んだのは、地元・岩手県盛岡市菜園のホテルロイヤル1階にあるスターバックスです。岩手県で1号店となるこの場所は、近くにデパートや盛岡城跡公園などがあり、オフィス街でもあるため、平日も休日も賑わう場所です。
(上品な色合いでまとめられた空間)
店内に入ると中央には統一されたデザインのテーブルや椅子、ダイナミックな吹き抜けがあり、開放感を感じます。壁面にはアートが飾られ、落ち着いた雰囲気なので、非日常的な特別な時間を過ごせます。
悩んでいる時、仕事をしたい時、読書をしたい時、1日に何回でも行ってしまいたくなる空間、そこが「My STARBUCKS」。
<盛岡菜園店>
岩手県盛岡市の中心部・菜園のホテル内1階にあります。ロビーの中にあるのが特徴で、宿泊者以外も利用できます。店内は落ち着いた雰囲気で、外にはテラス席もあります。
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〒020-0024 岩手県盛岡市菜園1-11-11ホテルロイヤル盛岡
営業時間/7〜21時(不定休)
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