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コラム

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インタビュー

ブランディングストーリー|信幸プロテック

信幸プロテック株式会社|岩手県紫波郡矢巾町

代表取締役社長 村松 守

内容:コーポレートブランディング・新社屋建設

ブランディング期間:2019年10月〜

コーポレートブランディングに取り組むきっかけ

△2021年3月に完成したばかりの新社屋にてインタビュー

村松

震災の年から専務が勉強会として取り入れていたのですが、当時は採用・人材育成を目的としたものでした。その延長でブランディングに移行していったイメージです。「ブランディング」として意識したのは3年前です。なんとなく取り入れていた状態から、これはいいね、本格的に運用しよう、となり委員会としました。

加藤

ブランディング委員会は何年目になりますか?

村松

今年で3年目になります。当社の委員会制度では、全員何かの委員会に属してもらっています。通常業務をしながら委員会活動をしているので、委員会の数が増えるとその分各委員会メンバーが減るため、社員の負担が増えます。なので、委員会を新設する時は思いつきでやらないよう慎重に検討しています。きちんと社内のコンセンサスが取れた状態で作るようにしています。

加藤

慎重に検討する中で、ブランディング委員会を新設したということは会社の本気度を感じますね!委員会メンバーはどうやって選びましたか?

村松

ブランディングに興味がある人、やってみたい人の希望をとって、各委員会から年代がバラして編成しました。以前は、経験豊富な部門長が委員長を兼任することが多かったです。社員が増えたことで、社歴を重ねた中堅社員も増えたので、リーダー経験を積む場として20代後半から30代の社員に委員長を経験してもらおうと思い、委員長が全体的に若返ったタイミングでもありました。その中で白澤も委員長になりました。

加藤

ブランディング委員会の運営で気にかけていたことはありますか?

村松

ブランディング委員会以外の人が、どんな活動をしているのか分からないのではないか、理解を得られないのではないか、と心配でした。当社の委員会は2年に一度メンバーの半分を入れ替えています。社員の中には複数の委員会を経験しており、委員会自体の活動量の蓄積があります。ブランディング委員会は誰も経験したことがないので、活動内容をできるだけこまめに社内フィードバックするよう心がけました。それでもきちんと伝わっているかな?という心配は常にありましたね。

実は積極的じゃなかった新社屋計画

△社員の成長を促し、垣根や限界を「こえる」をコンセプトにした新社屋

村松

社屋を建てる話は前社長(現会長)時代からずっとありました。震災前に会長が購入したこの土地は、当時は社屋ではなく新しい事業をスタートするための作業場所としての工場(こうば)を建てるつもりでした。その後、時代や情勢、経営方針が変わる中、私に代替わりした(平成27年)後は、建物よりも先に古かった社用車を新しくし、社員の処遇改善をする方に重きをおいてきました。

加藤

よし!今からやるぞ!と社屋作りに対して気持ちが切り替わったきっかけはありましたか?

村松

2年前くらいから少しずつ社屋の構想を練り始めました。社員が集まれる場所が欲しいな。会議ができる場所が欲しいな。社有車も同一敷地内に置きたいな、とも考えていました。実は、私は社屋を建てることには積極的な方ではありませんでした。現場で稼ぐことが基本だと思っていたからです。しかし、本社は事務作業をする場所という以外にも、採用にも大事だし、社外の人がうちを見てファンになってもらう場所でもあると気がつきました。社有車を新しくし、手当もある程度手が行き届いたので、そろそろ社屋についても考えようかな、となりました。

加藤

採用・人材育成を入り口としてブランディングを始めた御社には、いつか社屋を手がけることは当然の流れだったのでしょうね。新卒採用も積極的にやられていますよね。

村松

以前は人が辞めたらハローワークで募集する、というサイクルでした。今いる40~50代は転職組です。私と専務が入社したタイミングで新卒採用を始めました。私と専務の前職では、新卒採用が当たり前の環境だったので、新卒採用を取り入れることは自然な流れでした。同じようなタイミングで社長(現会長)が地元の若者に対して雇用を生むことが地域貢献につながるので新卒採用をしよう、と。様々なタイミングが合い、そこからは新卒採用をメインで行なっています。

△ブランディングの導入、採用を担当している村松専務

加藤

来年は何名入社予定ですか?

村松

同期がいた方がいいので2名は予定しています。若干名まだ増えそうです。この社屋ができたことで、採用もチャンスだと思っています。

新社屋に盛り込みたかったこと

村松

ワンフロアです。以前の社屋もワンフロアだったのですが、一時期工事部だけが別な部屋にいたことがありました。その際、情報や空気感が分断されるのを感じました。やはり全員が仕切りのない空間に集って業務をすることは大切だと思いました。

加藤

設計打ち合わせでは、ミーティングルームの数にこだわっていた印象がありますが、そこはどうですか?

村松

委員会の数も徐々に増え、最近では打ち合わせをしようにも部屋が予約できない、と社員に言われていました。また社員も10年で10名以上は増えたので、社内打ち合わせ・勉強会の頻度も増えてきました。気軽に集まれるようにミーティングルームは複数箇所欲しいと思っていました。

加藤

新社屋が完成してみて、社長のお気に入りはありますか?

村松

朝一番に出社して窓を開けたり、電気をつけたり、始業の準備を一通りするのが日課になっています。私の朝のルーティンにもなっているので一日のリズムが取れるだけでなく、会社をぐるっと一周確認することができるので気に入っている習慣です。

加藤

旧社屋に比べて空間が2倍になったので(1階建から2階建に)、設備的にやることは増えましたよね。

村松

そうですね。やることが増えたので、新社屋を機に掃除ロボットを導入しました。掃除ロボットが毎日一生懸命掃除しているのを見ているのも愛しいですね(笑)

△ワンフロアの二階事務スペース

△コーポレートカラーの上履きと掃除ロボット

社員・お客様の反応

△ブランディングの一環で新しくしたユニフォーム

村松

ブランディングの過程で導入した新ユニフォームは皆気に入って着用してくれています。若い世代だけではなく、上の世代にも似合うアイテムだったのでよかったです。ジャケットの刺繍も他社と差別化できていて私も気に入っています。

△新ユニフォームに身を包んだ社員

加藤

たくさん試着した甲斐がありましたね!御社の上の世代はスタイルが良い方が多いので、大変お似合いです。新社屋に関してはどうですか?

村松

世代を問わず新空間を楽しんでくれています。以前は自分の席で昼食を食べ、その後も自席で昼寝したりゲームをしたり各自の時間を過ごしていました。今は、一階のスノーピークのテーブルと椅子に集まってワイワイゲームをしたり、おしゃべりをして過ごす若いスタッフが多いです。

△オープンワークスペースは自由な使い方ができるスノーピークの什器をセレクト

加藤

新社屋の効果の一つは採用、スタッフのモチベーションアップなので早速効果が出たようでよかったです。社外の方の反応はいかがですか?

△岩手県内在住者に限定した新社屋グランドオープン

村松

3日間のグランドオープンに間に合わなかった方も含めて、お披露目時の来客が想像以上にたくさんいらして下さりびっくりしました。コロナ禍だし、設備屋の新社屋なんかに正直わざわざ来ないだろう…と思っていました。県内外の方から、本当にたくさんのお祝いを頂きました。実際にここにいらした企業様の中には、新社屋とはいえこんなデザインになっているとは思っていなかったようで(笑)。想像以上の造りに、びっくりされていました。また、4月がグランドオープンだったので、時節柄社内研修を兼ねて新入社員や若い社員さんとぜひ一緒にいらして欲しい、とお知らせ致しました。若い社員さん達からはスノーピークの家具が好評でしたね。

加藤

植物園になってしまうんじゃないか…ってくらい沢山の植物を頂きましたね。普段のお付き合いが目に見える形がお祝い。本当にたくさんの方に愛されている会社さんだと私も嬉しくなりました!コロナ禍対応で1回の参加人数を少なくしたことで、たくさんのお話の場面があり大変でしたでしょうが、その分お一人お一人と社長がきちんと言葉を交わせて良かったですね。一同に介してしまってはご挨拶もままならないでしょうから。個人のお客様の反応はいかがですか?

△三日間で18回にも及んだご挨拶と社内ツアーは満席に

村松

住む〜ず(一般家庭向け住設リフォームサービス)のお客様は60代、70代の方が多いのですが、この空間をかっこいいね、素敵だね、と褒めてくださる方が案外多いです。当社は10代から70代まで、三世代で働けてそれぞれが活躍できる職場です。諸先輩方のそのような反応は嬉しいですね。

想像していなかった変化

△光がたっぷり入る開放的なオープンワークスペース

村松

来客、社内の打ち合わせも含めて、1Fのオープンワークスペースでやることが増えました。当初はミーティングルームでやることを想定していたのですが、社内外問わず、聞かれて困るということも実は少なく、実際に空間が出来上がってみるとこちらの方が開放感もあり、話しやすいな、と思っています。

加藤

個室型の会議室、応接室を要望される企業は多いですが、実際空間が出来上がると皆様大空間の方の利用頻度が高いです。やっぱり広い空間、いいですよね。

村松

あとは、会長、相談役のモチベーションが上がったように思います。会長は新社屋では毎日出社しています。相談役もお客様を連れて社内をよく案内しています。出社してくれて、社員と毎日顔を合わせるだけでも私も社員も安心感があります。会長との情報共有もしやすくなりました。会長がこの土地を購入した時とは異なる使い方の建物・空間にはなりましたが、それでも今のこの状況を喜んでくれているのではないかな、と思っています。

△設備の専門知識と経験値を伝承する機会として新社屋建設委員会には会長も参加 

加藤

照れ臭くてお言葉にはされていないかもしれませんが、毎日来てくださっているのがその証拠ですね。今度、御社と弊社のダブル会長会談を企画しますね(笑)。実はブランディングを取り入れる企業では、代替わりは一つのきっかけとなっています。バトンを渡す人の目線で、ブランディングにはどんな期待ができるか?というのを私も聞いてみたいです。

今後、期待する変化

村松

岩手ではコロナが日に日に身近になってきています。たくさんの方に新社屋にいらして信幸プロテックのファンになって欲しいし、社員も集まれるのが理想ですが、集まりすぎるのも良くない…という葛藤があります。そこで、動画を作れる者が社内にいるので、勉強会を動画に切り替えていきます。集まってやる勉強会と違い、いつでもどこでも見ることができるのでその方が社員にとっても便利で安全です。新社屋での活動を機に、GOプロという一般・地域の方も参加できる学び企画を月一で始めました。それも動画配信を中心にしていきます。せっかく始めたことなので地域との接点は絶やさず持ち続けていきたいです。新しい働き方・新しいコミュニケーションの形を社員一丸となって模索していきます。

加藤

社員に望む変化はありますか?

村松

空間も席のレイアウトも変わったので、日々の見える景色が旧社屋時代と違っています。旧社屋よりも広くなったので、その分掃除する領域や気を配らないといけない範囲も増えました。なんでもかんでも役割分担でガチガチに管理したくないというのもあり、新社屋の使い方をどこまでルール化すべきか悩んでいます。

加藤

家事と同じで、誰かがやらないと快適に過ごせないことは会社でも同じ。気配り、心配りができるかどうか、は営業や現場でも滲み出ることなので大切なことですね。

村松

誰かがやってくれていることに気がついて感謝をして、そして自然とやるようになってくれると嬉しいですね。新社屋に来てから、そんな場面を実は何度か目にしています。手拭きのペーパーを率先して補充してくれていたり、これはこう思うからやっておきますね。じゃあ私はこっちを、と社員の意外なリーダー性や気配りを目の当たりにしています。広くなった分、気にすべきことは増えましたが全部負担と捉えずに、気づきのきっかけが増えたとポジティブに捉えています。

加藤

新社屋をきかっけに、更なる信幸プロテックのブランド力・社員さんの人間力の向上を楽しみにしております!

ブランディング委員会の立ち上げ、本社建設の舞台裏をブランディング委員会・本社建設委員会のリーダー達にインタビューしました。(2021年インタビュー)

>信幸プロテックインタビューvol.2はこちらから

インタビュー:2021年   インタビュアー:加藤瑞紀

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