19MAGAZINE#2025.2


いわて働き方改革AWARD2024 受賞
昨年12月、締め括りに嬉しいサプライズがありました。「いわて働き方改革推進運動」の参加事業者のうち、アワードへのエントリーがあった71社の中から最優秀賞を含む4社が選ばれ、そのうちの1社にジュークアンリミテッドが選ばれました!週休3日制の導入、ブレジャー(出張前後にプライベートの時間を取り、話題のスポット等のインプットを促す)の実施などが多様性があり、クリエイティブが加速する働き方と評価され、優秀賞を受賞しました。

ブランディングの大切さを自ら体感
ジュークではブランディング×設計で人が集まる会社・工場を岩手、全国に増やすことを事業目的としています。業種関係なく、クリエイティブで柔軟な働き方や考え方がブランディングカンパニーには必要で、その会社らしい働き方や制度を尖らせて見せることをお伝えしています。一方、ジュークのようなクリエイティブ業は建設業や製造業に比べて全体数が少ないため、働き方改革サンプルが少なく、検索してもあまりヒットしません。それならば「私たちがロールモデルになればいい!」と考え、様々な取り組みに挑戦し、試行錯誤をしています。

実は以前も週休3日制でエントリーしたことがありますが、その時は考え方が早すぎたのか…箸にも棒にもかかりませんでした。知名度がないと世間のアンテナに引っかからないことを痛感し、悔しい思いをしました。一方、昨年はいわて希望郷応援ファンド採択に始まり、デザインスクール、事例を集めた企画展、いわて経済会議への登壇など岩手での活動と発信を強化しました。「どんな会社なのか」がわかりやすくなり、相乗効果でアワード受賞に繋がったと感じています。ブランディングの基本である「らしさ」磨き、活動量と発信の大切さを改めて体験しました。リミテッドが選ばれました!週休3日制の導入、ブレジャー(出張前後にプライベートの時間を取り、話題のスポット等のインプットを促す)の実施などが多様性があり、クリエイティブが加速する働き方と評価され、優秀賞を受賞しました。

時間集約型労働ではないジュークの働き方
クリエイティブな仕事は時間型ではなく集中とひらめきです。長く会社にいるから、パソコンの前にいるから良い仕事とはなりません。知的生産性を上げるには、息を吸って吐くようにいつでもアイデアを生み出す環境づくりが肝です。一方、形にする時は集中力を上げる時間も必要です。アイディアを練る時間と作業する時間は本来環境が異なるはず。ジュークではワークとライフを分けるのではなく、ミックスされた環境づくりのため「イン&アウトプット」「コミュニケーション」を大切にしています。以下に特徴的な取り組みをご紹介します。




大海に漕ぎ出すサンヨーコーポレーション
~未来へ向かって挑戦と冒険のプロジェクト~
1965年創業の株式会社ダスキン山口と1979年設立の山陽ビル管理株式会社を束ねるホールディング会社として2021年に設立された株式会社サンヨーコーポレーション。山口県宇部市を中心に、お客様や取引先、共に働くスタッフなどすべての人に笑顔を届けるため、より良いサービスと働く環境づくりに努めています。岩本社長は自身も子育てをしながら社長業と務めておりその経験値から子育て・女性の活躍に関する企業認定を数多く取得。結婚・出産・子育てとライフステージに合った働きやすい環境、制度づくり、未来をつくる人材育成に力を入れています。
多様な業態を束ねるホールディング人材とは
ジュークへの相談のきっかけは一般への知名度が高い“ダスキン山口”として採用活動をしていた時と比べ、ホールディング化したことで学生の認知度が下がったことでした。個々の企業カラーを活かしつつ、ダスキン・ミスタードーナツ・ドトールなどの飲食、ビルメンテナンスと多様な業態を包括し束ねることができる人材とはどうあるべきか?を一緒に考えることに。合わせてホールディングスとしてのサンヨーコーポレーションの個性も明らかにすべくブランディングに着手しました。
創業事業であるダスキン山口時代からの歴史を遡り、事業拡大の背景からもサンヨーコーポレーションとして大事にすべきことを探る軸づくりワークをしました。19CLUB主催のブランディングツアーにも参加いただき、他社の軸とその会社らしさが詰まったアウトプットを見ることで、自社を知るものさしづくりの機会を提供しました。
たくさんの取り組みの背景にこそDNAあり
軸づくりワークのアウトプットとして各社で作ることをオススメしている「取り組みまとめパンフレット」。まずは既存の取り組みやルールはどんなものがあるのかを思いつく限り書き出してもらいます。サンヨーコーポレーションさんでは非常に多くの取り組みが初回から出てきました。書き出してみるとその量にブランディングチームもびっくり。しかも、無駄なものは混ざっていないという状況。この充実ぶりを改めて伺ってみたところ、過去に良くない結果を招いたというエピソードと社長の反省がありました。「その人が悪いのではなく、そうさせてしまった会社の環境と社長の私が良くなかった」と岩本社長は語ります。皆さんの会社の取り組みやルールにも、同じように取り入れた背景があります。これらを因数分解するだけでも、会社の「らしさ」にたどり着くことがあります。サンヨーコーポレーションさんの「らしさ」は改善活動の積み重ねを企業責任、経営責任として遂行できる強さにあると感じました。
そんなサンヨーコーポレーションのコーポレートカラーは創業事業であり今も根幹となっているダスキン山口と同じ水色。そして山口県という維新の国、宇部という港町から未来や未知を恐れず冒険し、良いものは受け入れる柔軟さがサンヨーコーポレーションにも通ずることから海=マリンルックをイメージするボーダーをアイコンとしました。サンヨーにかけて3本線です。スタッフを「クルー(船の乗組員)」と呼ぶ習慣もも特徴的です。まだ見ぬ未来へ向かって挑戦と冒険を繰り返すサンヨーコーポレーションさんのこれからにぜひご注目ください。

旅するように仕事をしよう
昨年、いわて働き方改革アワードのエントリー要項を記入した際に私含めスタッフの総出張回数を計算してみると2023年は112回、2024年は127回でした。19UNLIMITED(ジュークアンリミテッド)の19には「軸(じく=19)作りのためにどこにでもフットワーク軽く行く(いく=19)」という思いを込めています。「今はどこですか?」と当たり前に聞かれるくらいフットワークが軽い印象が定着した私たちですが、こうして数字にしてみると確かに随分動き回っていることがわかります。ただ無駄に動き回っているわけではなく、遠方が多いからこそオンラインもちゃんと併用し、一筆書きでタイパと効率を意識して移動しています。コスパの良いルートやチケット、旅行サイトを駆使するなどかなり考えられた旅程で皆がそれぞれ動いています。これだけで出張ノウハウセミナーができるのではないか…とさえ思っています。
パソコンの前で形にしたり、打ち合わせすることはできても「こうゆうのを作りたい」のアイデアはネットサーフだけで得続けることは難しく「こうしていこう」をクライアントにお伝えするのも画面から伝わらない微妙な息遣いや空気感を感じながらじゃないと階段を踏み外すことがあります。とはいえ、絶対対面主義というわけでもなく、創業時から当たり前に社内ではチャットワークやオンラインミーティングソフトを使っており、コロナ禍で一般的にもオンラインでもいいねという風潮が浸透したのはラッキーでした。オフラインの強みとオンラインの効率性がうまく掛け合わさったことで、私たちの営業範囲は今に至るまで拡大したと思っています。
次、どこに行こうか
旅をするように仕事ができる今のスタイルは私にはとても合っていて、制作活動を集中してするホーム(本社と家)があり、出張先ではインプットと軽作業、何よりクライアントさん達と打ち合わせをして形にしていくことを日本各地、海外でできることに感謝しています。業態や社風、経営方針によって選べば良いだけで、ジュークではオンラインとオフラインの両輪でバランスよくお仕事をしていく。これは当面変わらない方針です。「旅好きである」そんな人が当社には向いていると思います。
思えば創業メンバーは皆あちこち行っている人ばかり。自転車に乗るために尾道に行ったり、スペインのサンティアゴ巡礼をする人。マラソン大会に出るために海外に行ったり、海外に住んでいた経験がある人。好きすぎて女子一人でエジプトに行っちゃう人。そもそも外国人だけど日本に住んでうちで働いている人。本当にみんなフットワークが軽い。そんな軽さも当社の社風です。とはいえ、創業メンバーがあちこち行っていた当時に比べ昨今では物価高でどこかに行くにもお財布と睨めっこ…という時代。20代、30代こそ気にせず行きたいところに行く。若いメンバーにそんな体験をして欲しいので、みんなで頑張ってしっかり稼いで還元していきたいです。
東欧にも行ってみたいし、スリランカもいいと聞きました。案外まだパリも行ったことがないし、オランダも行ってみたい。でもロンドンにももう一回行きたいし、フィンランド、デンマークは住む感じでゆっくり滞在してみたい。一度くらいは野生のライオンとかキリンも見てみたい。行きたいところ、まだまだ沢山です。

今回紹介する建物は北海道札幌市モエレ沼公園内にある「ガラスのピラミッド HIDAMARI」。イサム・ノグチ設計の複合施設でレストラン、アトリウム、イサム・ノグチギャラリーの3階建で構成されています。

ぜひホームページで全体像を見ていただきたいのですが、これほどまでにシンプルを突き詰めた建築はないのではないかと思えるほど究極なファサードデザインでした。ガラスを受けるコンクリートを一切見せず、床面はすべて外部とフラットなデザインになっているので、ガラスが外壁であることに全く違和感を感じさせません。公園内の建築ということもあり、風景を切り取るのではなく風景に溶け込むようにデザインされていました。内部階段のディテールもとてもすっきりしています。ガラスフレームは限りなく薄く存在感を消し、階段の段だけがあるような意匠デザインに。滑りにくいフロア材を使用してノンスリップ材を設けることなく階段を一つの構造体として見せており、細部まで配慮されています。

公共施設という視点で考えれば、アトリウム内に人が集まるベンチや荷物置きなど置きたいところですが、空間に対しての什器のバランスがとても絶妙で、必要最低限の機能は持たせつつも空間デザインを損なわないように工夫されていました。完成写真と実際に運用された場合の空間の雰囲気が違うケースは多々ありますが、この建物は運営する側も一体となって作り上げられた空間であり、まさに名建築だと感じました。

旅のおしえ
~アクセントの石張りと照明~
1階のエントランスを進むと正面の一角に石張りで作られたスペースがあります。ガラスピラミッド=直線でフラットに作られている空間がほとんどの中、荒々しさを感じる石張りにその硬質さを和らげるような暖色照明が絶妙なバランスでした。


今回は山形県にある児童遊戯施設「シェルターインクルーシブプレイス コパル」のトイレをご紹介します。

屋外トイレはトンネルのように建物の一部がくり抜かれた形状で、児童遊戯施設らしく遊び心があるデザインです。雨の日も使いやすいよう屋根がかけられており、子ども連れや車いすユーザーに配慮されていました。トイレブースはホワイトをベースカラーとし、扉の色はそれぞれ異なる淡い色で彩られています。色に変化をつけることで楽しく明るい空間になっており、子どもたちも使いやすいだろうなと感じました。

児童遊戯施設だけあって、ピクトサインも読みやすいようにひらがなで手書きのような柔らかいフォントで書かれています。サインパネルは建物の湾曲した屋根形状に合わせて曲線形で統一されており、とてもやさしい印象を受けました。コパルのトイレは随所に子どもの目線で考えられているポイントがあります。当たり前ですが、デザインする上でただオシャレにするのではなく“どんな人がトイレを利用するのか?”を明確にイメージしながらデザインをするべきだと改めて感じました。

<<トイレアイテム>>
トイレは面積が狭いため、ピクトサインや手洗い器などの小物・設備で空間がガラリと変わります。次号からはトイレに取り入れたいおすすめアイテムや設備をご紹介していきます!
<コパル(山形市南部児童遊戯施設)>
コパルは子どもたちが雨天時でも遊べるようにと作られた施設です。遊具は屋内とは思えないほどダイナミックで楽しそう!お子さんがいる方はぜひ訪問してみて下さい。
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〒990-2316 山形県山形市片谷地580-1 コパル内 営業時間/9:00-18:00(火曜定休)
▶︎トイレ研究家・日山のInstagramはこちら!


今月号から、特別な空間を演出する私の憧れのインテリアをご紹介します。
今回は1912年創業のイタリアを代表するラグジュアリーブランド「Poltrona Frau(ポルトローナ・フラウ)」。世界中から愛されている高級家具メーカーで、トレンドの発信拠点である「ミラノサローネ」でも毎年多くの注目を集めています。ブランド名のポルトローナはイタリア語で“肘掛椅子”。フラウは創業者の名前レンツォ・フラウから。それらを組み合わせてブランド名のPoltrona Frauが誕生しました。

ブランドを象徴するのが独特の柔らかさを誇る最高級革「Pelle Frau(ペレ・フラウ)」。独自の高度な技術を駆使しつつ、手間を惜しまない“なめし加工”が施されています。これらの革は厳格な品質検査と伝統的な職人技によって美しい家具へと仕上げられます。

高い技術力を感じる細部ポルトローナ・フラウはフェラーリやパガーニなどの高級車や旅客機などのラグジュアリーシート、ディズニーコンサートホール、ガードナーミュージアムなど有名ブランドの内装も手掛けています。その卓越したデザインと技術力で世界中から支持を集めていますが、中でも有名なのがブランドのアイコンでもある<Chester(チェスター)>というソファ。1912年当時イギリスで流行っていたソファーやアームチェアに着想を得てフラウが再現したクラシカルなスタイルです。すべて手作業で実現された表面全体の豪華な装飾と肘掛のプリーツは芸術の粋を感じさせます。

<ポルトローナ・フラウを実際に見るなら…>
ポルトローナ・フラウ東京青山…〒107-0062 東京都港区南青山5丁目2-13
ポルトローナ・フラウ大阪…〒541-0045 大阪府大阪市中央区道修町3丁目6-1
▶︎デザイナー・赤坂のInstagramはこちら!


Vol.37 “魅せる工場”の提案 – オープンファクトリーの推進
ジュークでは「オープンファクトリー(見学できる工場)」の普及に取り組んでいます。ものづくりを行う工場が、お客様だけでなく、協力会社や普段訪れる機会のない地域など一般の方にも工場を公開し、製造現場の見学やワークショプを通じた交流を行うことは会社を知ってもらう良い機会になります。就職を検討している方にとっても企業のリアルな姿を知ることができる貴重な機会になり、工場と見学者双方にメリットがあります。 外部だけでなく、工場で働く社員にとっても自社の製品や取り組みを改めて理解してもらう良い機会になります。第三者からの意見を直接聞くことで、新たな気づきや誇りにもつながり、社員のモチベーションアップ、営業力の強化・売上向上、スタッフの意識改革にも寄与します。
私はこれまで世界中の工場を見学してきましたが、その中から特に優れた事例を一年間に渡って紹介していきます。

5歳9ヶ月…よく喋るしよく騒ぐしいつもパワフル



建設業ベンチマーク企業経営比較セミナー
見学だけではわからない経営の中身を双方の決算書比較を交えて理解を深める経営比較セミナー。実態と決算書を重ねた質疑応答で経営課題を炙り出します。1on1でじっくりと行います。
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いわて働き方改革実践企業見学会
2/13に働き方改革の実態を公開する企業見学会でジュークの取り組みをお話させていただきました。ブランディングをお手伝いしている五日市塗装工業様のオフィスをお借りし、見学もセットのコラボ企画。

19CLUB年間イベントスケジュール
2025年のイベント・セミナースケジュールを公開。人気企画のブランディングツアーは春の岩手、秋の台湾開催予定です。中長期的なブランディングの学びにおすすめ!19CLUB会員も募集中です。
>>詳細はこちらから<<


●2/28(金)株主総会
●3/18(火)岩手県中小企業団体中央会講演@エスポワールいわて2F大ホール
●4/15(火)19CLUBブランディングツアー@岩手