19MAGAZINE#2023.8
4月入社スタッフ 吉浜知輝を徹底解剖!
今年の4月に入社した吉浜知輝(よしはま ともき)です。もう4ヶ月が経ち、8月になっていることに驚きです。“建築営業”は未経験からのスタートだったので日々勉強です。たくさんの出張や研修に行かせて頂き、ジュークの軸に触れる機会が多く、とても楽しい時間を過ごしています。今回は自分の”軸”についてご紹介します。
両親が太鼓婚
岩手県宮古市を拠点に活動する創作和太鼓集団に所属する両親のもとに誕生。バケツやゴミ箱を裏返し、太鼓のビデオを見て演奏を真似するのが幼少期の遊びでした。5歳で入会し、一日警察署長や関ジャニ∞のLIVE出演など太鼓を通じて様々な大舞台を経験しました。誰かに見られるのが当たり前で、どういった表現をすればよいのかを考えながらパフォーマンスを磨く日々でした。
(母のお腹にいる頃からの和太鼓活動)
震災後、学びを求めて海外へ
被災地支援の一貫で海外留学のプログラムが多く存在し、ポーランドとアメリカへの各3週間のプログラムに参加。その後、海外進学を志すようになり、アメリカ・ウィスコンシン州の高校に編入しました。編入先はシュタイナー教育を採用しており、テストや宿題がほとんどない、生徒の自主性と人間力を高める環境でした。自分自身でタトゥーを彫る同級生、飛び級で高校を卒業しギャップイヤーで旅する同級生、日本では出会うことのなかった考え方や生き方に触れることができました。ある時「tomoは進学後何を研究したいの?」という質問に対して言葉がつまり、あくまでも大学進学は選択肢の一つで目的ではないことに気が付きました。自分はどこで誰と生きたいのか?何に興味があるのか?と自問自答を重ね、帰国を決断します。
(多くの考え方、生き方に出会った留学時代)
帰国後は「働き方」をテーマに
当時は“働き方改革”“アドレスホッパー”というワードがメディアに取り上げられていたタイミング。自分も2拠点居住に挑戦し、宮古市と東京を往復する日々。両方で得られた経験や人脈を活かして、2年目に業務委託を受注しフリーランスとなりました。2020年4月に地域おこし協力隊としてUターンし“関係人口創出”というテーマで活動しました。複業マッチング事業を担当し、19社・40件のマッチング成立。ミッションに向けて継続的なイベントを開催し、ゲストに映画「るろうに剣心」の大友監督や岩手のローカルアイドル”ふじポン”を招き、より魅力的な企画に。自分も複業に取り組み、商品企画や伴走支援を行う中でクリエイティブに価値を感じ、ブランディングやPR力が地域にもっと必要だと思うようになりました。
(様々なイベントを企画した地域おこし協力隊時代)
そして、ジュークへ
弊社一級建築士の青木とは10年来の友人で、2年前にオフィスに初訪問。「こんな会社が岩手にあるのか…」と衝撃を受けました。興味と関心、マルチにフットワーク軽く動き続けた20代前半。「次は専門性と独自性を」と考え、地域おこし協力隊3年間の任期満了とジュークの採用応募のタイミングが重なったこと、DEO加藤の「次の5年を共に創れるメンバーを」という言葉に心が揺れエントリーし、入社に至りました。現在、正直なところ「独立したい!」や成し遂げたい明確な目標はありません。この環境下でしっかりと成長し、貢献できるようになりたい。多くの物事を吸収し、精一杯頑張ります!どうぞよろしくお願いします!
早期離床を叶えるシステム
義肢、装具、車いす等を製作しているP.O.イノベーション様のリハビリサポートシステム「早期離床パートナー」の名称、ロゴデザイン、チラシ、カタログ、展示会出展用のブースツール一式を制作させて頂きました。
事故や骨の歪みによって脊椎の固定が必要な方に専用コルセットを貸し出すシステムは“早期離床”に役立ちます。患者さんは術後すぐにリハビリができるので早く退院でき、食事や排泄の介助を24時間サポートする医療従事者の労働時間も1日約125分削減できます。病床数の確保に悩む医療機関にも大きなメリットがあります。医療という専門分野をどうすればわかりやすく可視化できるかを、お客様と一緒に話し合いながら見える化していきました。
誰に伝えるデザインなのか?
この早期離床プラットフォームを伝える対象は患者さんだけではなく、働き方改革が求められる医療機関(病院やDr.)、医療従事者(看護師・作業療法士)、コルセットを取り扱う協力企業と多方ありました。誰に伝えたいのか?で視点は変わってきますので、それぞれの目線に合わせたデザインツールを作成しました。例えば、医療従事者に向けて“労働時間削減に役立つ”ことを伝えたパネル、医療機関に向けて“患者さんの早期回復や早期退院をサポート、ワンストップでコルセットがレンタルできるので管理が安心・ラクである”ことを伝えたチラシなどです。
デザインは情報を整理すること
見た目の良し悪しだけでなく伝えたい内容を目的の相手にきちんと伝えられているか?多い情報を整理して相手に届けるのがデザインだと思います。今回の早期離床パートナーのプロジェクトを通して、デザインの基本である整理して伝えることの大切さを改めて感じました。
ブランディングには「きっかけ」が必要
この春、会社を始めて丸5年になったことを機にオフィシャルに採用を始めました。採用向けメッセージを作り、どんなメンバーと一緒に働きたいか、この先目指すことも整理しました。ありがたいことに、興味を示していただけることも増え会社説明をする機会が増えました。採用の1プロセスとして会社見学、インターンも受け入れています。
「できること」より「どんな会社か」を伝えたい
営業時にも会社説明をしますが、どんな会社か?体質か?をじっくりお話しする時間はなかなか取れず「どんなことができるのか?」を中心にお伝えすることになりがちです。能力の差別化も大事な「らしさ」なのでそれはそれで良いのですが、私は社風やスタッフ像を少しでもお伝えしたく、社内報を充実させ、できる限り解説してお渡ししているようにしています。SNSで普段の様子も配信しています。会社、スタッフのファンになって欲しいと思っているからです。
採用の場合は一緒に過ごす仲間を集める訳なので、営業時とは逆に「どんな会社か?何を大切に働くか?」をしっかりお伝えできます。採用がブランディングに効果的なのはまさにここ。否応なしに会社をじっくり見つめ直すことができます。実際に言葉にして説明しようとすると足りないことや、チューンナップすべきことが実感できます。
ブランディング(見直し)には「きっかけ」が必要
既存社員に対して改革、発信を怠るべきでないのは当然ではありますが…日々の仕事に追われるのは社員も経営者も一緒。なので大事なのは「きっかけ」です。周年や期代わり、代替わり、社屋建設など大きな変化をきっかけに見直しをおすすめしていますが、採用もおすすめです。先程書いたように、否応なしに初めましての人に会社のことを伝えないといけません。最低限は業務内容、給与、福利厚生。このほかに社風や目指すことなどをお伝えしないと「らしさ」になりません。が、これを言葉にしてみると案外難しく、いかにまとまっていないかを痛感することになります。
私も最近よく会社説明をするのですが、涼しい顔で話していますが内心「もうちょっとわかりやすくまとめたい…」と思いながら、実は毎回話す内容、資料を変えています。
というわけで、数回会社説明をこなした結果、こうまとめていきたいな、という輪郭がぼんやり見えてきました。5年目を機に採用を始めた結果、自社を見つめ直すタイミング到来です。この夏〜秋にかけてジュークアンリミテッドはどんな会社かを整理、再発信を企画しています。今いるスタッフをコアメンバーとしてこの先5年、10年を共に過ごすため。まだ見ぬ仲間に出会い、未来を共に過ごすためにも早速今月から自社の見直しを開始します。途中経過は順次発信してまいりますのでお楽しみに!
【NEWS】ジュークの最新ニュース
19WORKS(事例集)最新号「グレートバーガー」
ブランディング×設計事例を紹介する19WORKSの最新号が完成。昨年オープンした盛岡バスセンター内、グルメバーガー店「グレートバーガー」を特集!店舗設計、サイン、ユニフォームなどお手伝いしました。
今夏よりサマーレター・メルマガ配信
ご無沙汰している方も、そうでない方にも、この夏より事例・進捗をお知らせするサマーレーターとメルマガを始めました。「うちもこういうことがやりたい!」というものが見つかる機会になれば幸いです。
サイン取付完了@末吉ネームプレート製作所様
ブランディング・ロゴデザインをお手伝いした末吉ネームプレート製作所様の新工場にサインが設置。撮影時のポーズを末吉様にお伝えし、記念写真を撮ってきました。見学の際は皆様もぜひこのポーズで!
<事例記事はこちら>
【INFORMATION】
●8/22,10/10,12/5 加藤セミナー「KITAKAMI O2の舞台裏」@北上(小田島組)
●10/26-27 ベンチマーク視察団@広島
今回紹介する建物は石川県金沢市にある「石川県立図書館」です。2022年9月のコラムでも紹介した「国際教養大学 中嶋記念図書館」と同じ建築家・仙田満氏の設計です。鉄骨造なのに外壁がカーテンのように揺らいでおり、シンプルな窓の雁行配置に軽さと柔らかさを感じる存在感のあるファサードでした。
(カーテンのようになびいている外壁)
エントランスから中に入ると視界はすべて本一色。私と同様、入った瞬間のインパクトを写真に納めようとしている人が多く、デザインの影響力を感じました。建物はドーム形状で1階から4階まですべてスロープで上がれる設計です。天井には東西南北で色分けされた旗が吊るされており、そのエリアの色で統一されたライトが書架天端に設置されていました。デザイン性が高く、本も探しやすい、という図書館の機能と工夫が組み合わせられたデザインでした。
(東西南北でエリア分け)
館内は非常に明るく開放的に感じましたが、実は天井にはあまり窓がありません。楕円形のハイサイドライト(高窓)が全周回っており、その自然光が天井の青白く塗られたパネルを照らすことでまるで天井がすっぽり空に抜けているような明るさを演出していました。
建物に入った瞬間、設計者が誰かわかるような特徴があり、海外に来たようなワクワク感を感じさせる名建築でした。
(ベニヤ板風のコンクリート床)
旅のおしえ
~HAKKOファクトリー~
天井のコンクリート床裏の型枠にベニヤ板を採用し、特色の弁柄色を塗ることで木の雰囲気を出しつつ、空間にマッチさせている工夫を発見。
サウナ界のゴッドファーザー米田行孝氏が手掛け、フィンランド式を忠実に再現。名古屋にあるサウナ・カプセルホテルです。
(日本一冷たい水風呂「アイスサウナ」)
(最大70名同時入室可能なサウナ室)
今回ご紹介するのは「ウェルビー栄店」です。こちらの店の名物、フィンランドのラップランドを再現した「アイスサウナ」は”日本一冷たい水風呂”とも言われ、水温は氷点に近いシングル温度(水温が9℃以下)の2℃、室内は−25℃にも達します。10秒耐えることもできず、肌はビリビリと刺激を感じます。その他には温度の違う2つの水風呂と2つのサウナ室、ととのいスペースもすべて完成度が高く、体調や好みに合わせた楽しみ方が可能です。今年の春に3階エリアにオープンした「Sauna Theater NAGOYA」は東海地区最大規模の大型サウナで、男女共用・約70名が同時入室可能!アウフグース以外にサウナヨガなど独自のプログラムも楽しめます。ぜひ実際に体感してみてください。それでは『ナイスサウナ!』
Vol.20 断熱と遮熱の違いとは?
今回は「断熱」と「遮熱」の違いをご説明します。「断熱」は熱が伝わるのを抑えること、「遮熱」は太陽光を遮って熱が発生するのを抑えることです。
「断熱」は夏場に外の暑さが室内に伝わるのを防ぎ、室内の涼しさが外に逃げるのを防ぎます。冬場には外の寒さが室内に伝わるのを防ぎ、室内の暖かさが外に逃げるのを防ぎます。
一方、「遮熱」は太陽光による熱の発生を抑えます。太陽光が当たった屋根や外壁などに熱が発生すると、その熱が建物内にも伝わってしまいます。遮熱はその照射を跳ね返すことで屋根や外壁などが熱くなるのを防ぎ、倉庫や工場内の気温上昇を防止します。夏の暑さ対策としては有効ですが、冬の寒さ対策には効果はありません。
(壁一面に本棚が並ぶ)
今回は大阪市にある「こども本の森 中之島」のトイレをご紹介します。
“こどもたちが自発的に本の中身に触れ、多様な本を通して無限の創造力や好奇心を育んでほしい”そんな想いから安藤忠雄によって設計された文化施設です。各階の壁一面に本棚が並び、その間には本を読むための椅子や机が配置されています。実際に訪れた時、こどもたちが好きな本を手にとり、各々が好きなスペースで自由に本を読んでいる姿がまさに本の森の中にいるようでした。
(本棚の間にあるベンチ)
今回注目したのは3階のトイレの場所です。本棚に紛れるように男女共同の個室トイレがありました。トイレの扉は本棚のある面から少しセットバックさせ存在感をなくし、本の森の世界観を壊さないよう配慮されていました。トイレに入る時、まるで本棚の中に入っていくような感覚になり、おもしろかったです。 一方、多くのこどもが利用する場所なので視認性もなくてはなりません。本の森ではトイレのピクトグラムを配置し、本棚とトイレの扉の材質や色を区別するなどして、わかりやすいよう配慮されていました。
(本棚に紛れているようなトイレ入口)
トイレの配置計画は空間の世界観を壊さないための工夫とわかりやすさのバランスが大切だと感じました。
<こども本の森 中之島>
建築家・安藤忠雄氏による設計&寄贈の施設。「子どもたちに豊かな感性を育んでほしい」との思いが込められた館内の3フロアの壁すべてが本棚。蔵書数は圧巻の約2万冊です。
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大阪府大阪市北区中之島1丁目1-28
営業時間/9:30〜17:00(月曜休)
▶︎トイレ研究家・日山のInstagramはこちら!
●4歳4ヶ月…「汗かいたからアイス食べていい?」が口グセ
山形県にある「とうふ工房・清流庵」のTO-FUパフェが暑い季節にオススメです。パフェにトッピングされた豆腐ソフトが甘さ控えで美味しい!甘いのが苦手な方にも食べやすいと思います。
店舗住所:山形県寒河江市下河原76-1
営業時間:10:00〜17:00(水曜休)
おすすめした人:日山 莉愛