19MAGAZINE#2024.12
2024年を振り返る②総おさらい編
先月号は「2024年を振り返る①」としてジューク自らのブランディング活動について触れました。岩手に拠点を置きながら全国で活動する私たち。春にはいわて希望応援ファンド(公益財団法人いわて産業振興センター)の採択事業者に選ばれ、改めて地元岩手とジュークの関係性を深く考える1 年になりました。そんな2024年の“ジューク3大ニュース”をご紹介します。
1.初挑戦!企画展開催
今年一番のチャレンジは8/16から5日間に渡り岩手で開催したオリジナルの企画展「コーポレートブランディングと建築展-地域と未来をリードする会社とジュークの仕事-」の開催です。新しい会社の見せ方の挑戦でしたが、差別化ポイントの見定め、企画・デザイン・販促・おもてなし・イベント力とジュークができることを集めた総力戦なので「必ずやできる」と思っていました。会期中は延300名の方にご来場頂き、遠くは兵庫、滋賀、埼玉から。お客様だけでなくスタッフの家族や友人、里帰り中の学生さんなど様々な方にジュークを知っていただく機会を作ることができました。新聞、テレビ取材も受け、それを見て来場してくれた方も。
ブランディングで推奨している「人が集まる会社づくり」を自ら仕掛けることの大切さを身をもって体感した企画展でした。6年間の活動を振り返るきっかけにもなり、一つのものを作り上げる一体感が学園祭のようで心地よかったです。
2.念願のツアー地元開催
19CLUB 会員を対象にブランディング企業と街のイケてるスポットを巡り、ブランディングをインプットしてもらうツアーを定期開催しています。過去には新潟、広島、埼玉、東京と開催してきましたが、今年はついにジュークの地元である岩手での開催が叶いました。小田島組様社屋(グッドデザイン賞、日経ニューオフィス賞受賞)、信幸プロテック様社屋(働き方改革、IT推進事例としても常連企業) と県内で注目度が高い2 社を手掛けさせていただき、19CLUB会員にもぜひ見てほしい!と思っていました。しかし、2020年より本格化したコロナ禍では視察受け入れは難しく、まして県外からのゲストを連れてツアーすることはできませんでした。
その間にも岩手でブランディングに取り組む企業は増え、満を持して今年の5 月、ついに岩手でのツアーを開催しました。世界の行くべき都市(ニューヨークタイムズ紙)にも選ばれた盛岡市。大谷翔平をはじめ、メジャーリーガーの聖地岩手県。何かと話題のジュークの地元を満喫していただきたく、1泊2日のツアー史上最多4社の訪問企業数を設定。五日市塗装工業様の協力もありマンション現場では大人の塗装体験というアクティビティをしたり、新会員が増えたクラブメンバーが交流するホットな2日間となりました。
3.新プロジェクト多数スタート
毎年新たな事例が完成し、今年も工場・オフィスと竣工しましたが、それ以上に目を見張ったのは新規プロジェクトの数。大小合わせて、新たなスタートを切ったプロジェクトは10に上ります!(契約ベース)準備段階で動いているプロジェクトを含めるとその数はもっと。ブランディングに取り組む企業同士の情報交換の場、インプットの場としても機能している19CLUBには今年は新会員が続々と加盟しました。ブランディングツアーのメンバーも初参加者が増え、その新鮮な反応に私たちも初心に戻ることができた一年でした。
岩手県八幡平市でプラスチックパーツの製造を行っているニュートン様。壮大な自然の中で、岩手山を正面に構える絶好のローケーションで活動されています。新たな松尾工場も岩手山を目の前にする最高のロケーションで、ジュークでは2023年9月からブランディング、内外装デザイン、サインデザイン、ツールデザイン、建設プロジェクトドライブと総合的にお手伝いさせていただいています。
コーポレートカラーは、社名のニュートンからインスピレーションを得て「挑戦が芽吹く=完熟を目指す」という想いを込めたアップルグリーン。サブカラーは地域のアイコンである岩手山から岩手山ネイビーを採用。大自然だからこそできるコーポレートカラーを取り入れて工場をデザインしました。
打合せ~デザインまで
「高い技術力と高品質なプラスチック製品」「機会や好機を逃さないスピード対応」を心掛けているニュートン様。打合せを重ねる中で、メインになる工場は使いやすさと視認性を大切にし、現工場でも使用しているグリーンの床で統一しました。「常に挑戦し、課題を乗り越えて成長する」「無いものは自分で創る」という創業者・田面木会長の考えを受け継ぎ、挑戦し続けている会社の理念を表現すべく、研修室の壁面に田面木会長の肖像画サインをダイナミックにデザインしました。研修室の窓から見える岩手山もとても雄大で、サインとマッチしています。
各部屋の扉はコーポレートカラーのアップルグリーンで塗装。工場につながる扉には“気持ちを切り替える”意味を込めて岩手山ネイビーを採用しました。2階食堂の壁面には、コーポレートカラ
ーの由来・ロゴの意味などを解説したサインをデザインしました。カフェにいるような感覚で、一日一度のランチタイムを自然あふれる空間で楽しみ、ほっと一息ついて欲しいという想いを込めました。
什器選定
自然豊かなロケーションだからこそ外と中のつながりを表現すべく、温かみのある印象を与える明るい木目調を中心にセレクト。コーポレートカラーのアップルグリーンとの相性も良いです。総務事務室は働く社員さんの気持ちを考えつつ、ブランディングチームとも何度も打合せを重ね、デスクやチェアを決めました。使い方や状況に合わせ、レイアウト変更が簡単にできるよう軽い什
器を選びました。
2025年春、一般公開予定
12/5に竣工式を迎え、現在は機械搬入、什器搬入で年明けからの稼働に向けて準備中です。工場建設プロジェクトは一旦落ち着きましたが、年末には全社員を対象に社内工場見学会を開催。2025年3月にはオープンファクトリーとして一般見学者の受入れに向けてブランディングチームが準備を進めています。企業の歴史&製品を展示するコーナーや見学対応の精度アップ、プレスリリースとまだまだブランディングチームを中心に話し合いは続いています。最高のロケーション、技術力の高いモノづくり集団ニュートンの新工場を多くの方に知っていただくため、たくさんの仕掛けと社内外プロモーションも継続していきます。
ぜひ、来春以降岩手県八幡平市に足をお運びください!
いわて働き方改革AWARD2024受賞
岩手県内企業の優れた働き方改革事例を広く県民に知らせることを主目的とした「いわて働き方改革AWARD」(岩手県商工労働観光部「定住推進・雇用労働室」の事業)参加宣言はシートに記入して送るだけという手軽さで県内の1,016社が参加宣言をしています。
取り組み背景(きっかけ)と解決したいこと
ブランディング×設計で人が集まる会社・工場を岩手~全国に増やすことを事業目的としているジューク。業種関係なく、クリエイティブで柔軟な働き方や考え方がブランディングカンパニーには必要なので働き方自体も指南させていただいています。創業時(2018年)から私たち自身がクリエイティブでいるための取り組みを試行錯誤し、その結果、良いものは横展開できるように実験を繰り返しています。
アワードに提出した4つの取り組み
①フリータイムワーク(裁量労働制)
ジムに行ってスッキリしてから出社する、家事をしながら隙間で制作、午前は家で図面を書き午後から出社など各ライフスタイルに合わせて作業時間を選べます。
②ブレジャー(ビジネス+レジャー)
県外での仕事も多く、遠方への出張が多い私たち。出張前後にプライベートの時間を取り、建築物や美術館、話題のスポットやイベントなどインプットを促します。
③週休3日制
クリエイティブな仕事は時間型ではなく集中とひらめき2020年から実験的に週休3日制を採用しています。読書や外出先でインプットなど知識や教養アップに。
④コムパン
ジュークは組織なので話し合える環境をいかに作れるかを大切にしています。出張も多く全員揃う機会が少ないからこそ定期的に一緒に食事を作り、食べるコミュニケーションの時間を増やしています。
【NEWS】ジュークの最新ニュース
岩手県働き方改革アワード優秀賞受賞
長時間労働削減、人材確保・定着、女性活躍など先進的な働き方改革を表彰するアワードで、ジュークのクリエイティブを加速する多様的な働き方が優秀賞を受賞。12/11に県知事表彰、事例発表しました。
ニュートン様松尾工場竣工式
岩手県八幡平市でプラスチックパーツの製造を行うニュートン様新工場の竣工式が12/5に執り行われました。岩手山を望む最高のロケーションで、来春のオープンファクトリーに向けてサポートしています。
台湾企業岩手視察ツアーで来日
今年9月からジューク初の海外プロジェクトとしてコーポレートブランディングに取り組んでいる民匠設計@台湾のメンバーが岩手へ。ブランディング事例企業を見学し、ジュークにも訪問してくれました。
【INFORMATION】
●12/27(金)大掃除・仕事納め式
●12/28(土)〜1/5(日)年末年始休み
●1/6(月)仕事始め式・新年祈願
今回紹介する建物は北海道亀田郡七飯町にある「THE DANSHAKU LOUNGE」。西洋式農法を国内で最も早く導入し、男爵いもを国内にもたらした川田龍吉男爵のミュージアムショップです。
プロモーションやブランディングなど幅広く手掛けているQuaras.Incが企画プロデュースしました。広い館内は回遊型のワンフロアでミュージアムコーナーからカフェやショップまでぐるりと一周しながら見ることができます。
男爵いも誕生までの歴史を展示した壁面には川田男爵がアメリカから輸入した農耕具などが整然とディスプレイされており、それを解説するパネルも展示しています。その歴史の流れに沿って階段とスロープを進む順路になっており、長いスロープは子どもたちの探検心をくすぐっていました。
ミュージアムコーナーを壁で仕切るのではなく手すりと什器でゾーニング(エリアを分割)し、じっくりと解説文を読みたい人、お土産コーナーに向かいたい人を自然に分けていました。
館内の天井に目を向けると川田男爵の人柄を表現したおもしろいものを発見しました。それが上の右下画像(天井から紙が降っているようなオブジェ)です。海外留学していた時に出会った女性へ送った89枚ものラブレターには「一緒に食べたじゃがいもを日本で再現したい」との想いが綴られていたそうです。実際のエピソードを空間デザインとしてビジュアル化しているおもしろいアイデアでした。
旅のおしえ
~立体感のある壁面デザイン~
こちらは川田男爵の肖像サイン(上の左側画像)を上から撮った写真です。木製ルーバーの厚みを変え正面から見た時の明暗の表現を変えることにより、さりげなく肖像画を浮き立たせています。他にも様々な表現方法が施設にあり、勉強になりました。
今回ご紹介するのはエースホテル京都の1階ロビーにあるトイレです。和と洋をミックスしてデザインされています。
トイレ出入口の左右の壁は和紙で作られており、内部の灯りがほんのりと透けて幻想的に感じます。出入口に掛けられた大判の暖簾も和紙の壁面と相性がとても良く、落ち着いた雰囲気でまとめられていました。暖簾というと居酒屋のトイレの出入口によく掛けられている印象があり、カジュアルなイメージがありました。しかし、高天井から吊り下げられているこの暖簾は粛然とした雰囲気があり、暖簾はデザインや設置方法によって様々な印象に演出できるなと思いました。
トイレの扉・ピクトサイン・トイレパーテーションには木材が使われており、出入口の和の雰囲気によく合っています。印象的
だったのは壁一面に貼られた深緑色のモザイクタイル。日本の古民家のトイレやお風呂場でよく使われていたようなレトロなタイルです。トイレ上部に付いていた行灯のような形をした照明も和を感じるデザイン要素でした。一方、手洗いの鏡に付いている黒ウォールランプには洋の要素を感じます。“和”の柔らかさと“洋”の重厚感をミックスしたようなデザインのトイレでした。
和紙や暖簾など日本発祥のアイテムがトイレだけでなく、ロビーやレセプションにも多く使われており「京都ならではのデザインだな」と感じました。ぜひ、実際に足を運んで空間を体感してみてください。
<エースホテル京都>
“AceHotel”はニューヨークのホテルチェーンで2020年にエースホテル京都が誕生。1階ロビーにはアート展示やコーヒーショップがあり、宿泊者以外も利用可能です。
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〒604-8185 京都府京都市中京区車屋町245-2
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全国各地のSTARBUCKSを巡りながら毎月社内報で魅力をお伝えしてきました。一年を振り返りながら、私が選ぶ「スタバトップ3」をご紹介します。
第1位「STABUCKS RESERVE ROASTERY TOKYO」
スタバの世界観を最も感じられる店舗。コーヒー豆から焙煎まであらゆる点でのこだわりが表現された空間で、ダイナミックなカッパーキャスクが目を惹きます。
第2位「福岡大濠公園店」
環境に配慮したグリーンストア大濠公園店。外壁や天井、インテリアに豊富に木材を使用しています。風景を楽しめるよう窓側に向けられた座席が特徴的。朝のお散歩も夜景も何度も足を運びたくなる店舗です。
第3位「青森弘前公園前店」
東北唯一の登録有形文化財&歴史と文化を感じられる弘前公園前店。弘前の中心部にあり、青森を代表するスターバックスです。和と洋が入り混じる大正レトロな雰囲気と庭園の眺めを楽しむことができます。
日本各地のスタバを巡り、各店舗にこだわりや想い、歴史や物語が詰まっており、世の流れに合わせて常に進化し続けていると感じました。一年間ご購読ありがとうございました!来年~新テーマ始まります。
<STABUCKS RESERVE ROASTERY TOKYO>
“スタバ”の世界観を最も感じられる場所スターバックス・リザーブ・ロースタリー東京。コーヒー以外に紅茶や抹茶、カクテル、軽食もあり、一日中楽しむことができる店舗です。
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〒東京都目黒区青葉台2丁目19-23 営業時間/10:00-22:00
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Vol.36 天井クレーンの知識まとめ
倉庫や工場に天井クレーンを設置すると重い物の運搬が容易になり、作業効率が向上します。さらに、扱える商品の幅が広がり、ビジネスチャンスやリスクヘッジにもつながります。クレーンの設置には建物の強度や設置条件を確認し、適切なスペースを確保する必要があります。特に古い建物では老朽化の影響を考慮し、専門家の確認が推奨されます。
クレーンには「クラブトロリ式」「ホイスト式」など種類があり、仕様や耐荷重により設置費用が変わります。設置には労働基準監督署への届け出が必要で、0.5トン以上のクレーンには「設置報告書」や「設置届」の提出が義務付けられています。
運転には資格が必要です。クレーン・デリック運転士免許や玉掛け技能講習などを取得する必要があります。さらに、安全運用のために定期的な点検が義務付けられておりこれらを遵守することで、効率的かつ安全なクレーンの運用が可能になります。
5歳8ヶ月…みためはしょうがくせい、ずのうはごさいじ