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コラム

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インタビュー

ブランディングストーリー|古郡建設

古郡建設株式会社|埼玉県深谷市

代表取締役社長  古郡 栄一

内容:採用・コーポレートブランディング

期間:2017年8月〜

コーポレートブランディングに取り組むきっかけは?

古郡

2017年のセミナー(タナベ経営 建設ソリューション成長戦略研究会)で加藤さんと望月さん(ジュークアンリミテッド会長)に出会ったのがきっかけですね。そこで2人が講演していた内容が衝撃的でした。

加藤

建設会社在籍時代に、自社のブランディングについて説明していたやつですね。

古郡

建設会社ってそれぞれ色々な取り組みをしていますけど、ブランディングをメインとしたセミナー内容には他の出席者の皆さんも驚いていました。

加藤

以前から会社を変えたいという思いはありましたか?

古郡

それはありましたね。ブランディングをやるにあたって採用を軸にすればスタッフも取り組みやすく、とっつきやすいのではないかと。建設会社の枠を超えた会社にしたい、停滞感を払拭したいという思いが強かったですね。

加藤

お父様(現会長)から会社を継がれたのは何年前ですか?

古郡

14年前。35歳の時ですね。ブランディングはモチベーションを上げる方法だと思うんです。それまでの会社はインナーブランディングや外への発信の仕方を含めてイマイチでした。コーポレートカラーにも特に決まりがなく、ロゴマークの青と緑にも飽きたし、自分が好きな紫色を現場シートに入れてみたり(笑)。今回オレンジ色に変えましたが、どこかのタイミングでは変えたいなと思っていましたね。

具体的なブランディングの取り組みを教えてください。

△ブランディングミーティングの風景 部長・中堅〜若手とバランスが良いチームでスタート

古郡

まずスローガンを作って「こういう旗印でやっていくぞ」ということを社員に知ってもらうところから始めました。その次はコーポレートカラー、ロゴマーク、作業着と、どんどん変えていきました。

△今までと真逆に突き抜けて行こう!ということで「breakthrough!」をスローガンに。従来のブルー・グリーンのロゴから反対色のオレンジを採用。

加藤

スローガンを変えたり、コーポレートカラーを変えたりするまでどれくらい時間がかかりましたか?

古郡

3〜4ヶ月くらいかかりましたね。

加藤

スローガン決めやロゴ変更などはやろうと思えば、ずっと考えていられるんですよね。何がベストなのか、追求するために。コピーも考え過ぎるとキリがないので、エイヤ!と決めてしまう。色もロゴも一緒。先行してバーっとオレンジ色が普及し、「最近何か変わったな」という印象を与えることが大事です。スタッフ数が多く、歴史も長い会社の場合は統率をとることが難しいと思いますが、古郡さんの場合はそれが案外なかった印象を受けます。私が来るたびにオフィスの椅子がオレンジ色になっていたり、コースターがオレンジ色になっていたり、アウトプットのスピードとテンポが良い!気がつけば新ロゴの封筒ができていて、名刺ができていて、来るたびにオレンジ色の面積が増えていましたよね。

古郡

コーポレートカラーのオレンジは本当に早く決まりました。ブランディングチームも気に入っていますね。

加藤

ミーティングの時は毎回何か1つは決まっていきましたよね。あのスピード感がいいなと思います。ブランディングには思い切りの良さが必要。トップが「イエス」と言わないとまた戻っちゃいますから、チームの中に古郡社長がいたことは大きいです。決定権者が中にいて理解してくれるのはプロジェクトを進める上では大事なことかなと思います。

△月に1度のブランディングミーティングには社長も同席

古郡

腑に落ちないことがあると「これはないだろう」と夜でもブランディングリーダーにメールしたこともありました(笑)。彼らには本当に苦労をかけたんですけどもね。

ブランディング取り組んでからどんな変化がありましたか?

古郡

6/1から新しくなった作業着は大きな変化です。古郡ホームの女性スタッフに「かっこいい」とか「それが欲しい」と言ってもらえたり。ちょっと余談になりますが、先週末に町の七夕があったんですよ。夕方に子供と一緒に町を歩いていたら、うちの社員が作業着で来ていて。それを見て僕は「え!作業着で行っちゃうんだ!」とびっくりして(笑)。でも、一緒に来ていたママ友が「あの作業着ならありじゃないの」と言ってくれたので良かったです(笑)。ブランディングを始めてから色々なことに取り組んでいますが、自分の仕事や会社に誇りを持って働いてくれることが目的ですので。みんなの幸せに繋がってくれれば言うことはないですね。

加藤

それはよかった!作業着選びはファッションショーをして社内投票など、取り入れ方にもエンタメ化してこだわりましたね。今後はどんな取り組みをしていきたいですか?

古郡

建築のBtoCのPRが苦手なので、そこのお客様と仲良くなるために会社の販促ツールを活用したいです。ただお客様の会社というだけではなく、そこで働く一人一人のスタッフさんにまで訴えかけるというか、身近に発信していきたい。

加藤

採用から考えるのが一番わかりやすいですよね。学生が会社のことをわかってくれれば、一般の人にも伝わりますから。例えば学生が採用活動で企業を検索する時に、ふと会社名を思い出してもらう。知人や家族に口コミで教えてもらう。そのフィールドに上がるために「認識してもらう」というのがコーポレートブランディングです。売上に直結しづらい、手応えがない、を採用でカバーする。それが徐々に広まって、学生以外にも認識されるきっかけになる。社内フィードバックって難しいじゃないですか?それが採用だと数値で表しやすい。何人学生が集まったか?どんな学生が多かったか?それらをやりながら色々なパターンで会社の見せ方をブラッシュアップしていくことが近道だと思います。

古郡

例えば、深谷駅で「古郡建設のこと知ってますか?」と100人に街頭インタビューして、知っているのはおそらく3〜5%かなと感じています。学生とかは特に。以前は売上や事業内容のことばかりを考えていましたが、今は大事なのはその部分じゃないなと感じていて。それをスタッフのみんなもどれほど共有してくれるのか。そこがブランディングの成功につながるんじゃないかなと思います。

ブランディング推進の要であるブランドリーダーを経て、デザインマネジメント部部長に就任した渡辺部長のインタビューを続編で公開。

インタビューvol.2はこちらから

インタビュー:2018年

インタビュアー 加藤瑞紀

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