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コラム

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インタビュー

ブランディングストーリー|シンコーメタリコン【社長編】

株式会社シンコーメタリコン|滋賀県湖南市

代表取締役 立石豊

内容:人が集まる工場づくり トップファクトリー

プロジェクト期間:2018年10月〜2023年5月

新工場建設に取り組んだきかっけ

工場用地を今から十数年前に購入し、いつか新しい工場を建てようと考えていました。当社は1933年に京都で創業しました。50年間京都におりましたが周りに民家が建ち、これ以上は工場を大きくできないとなり、二代目である父が滋賀に移転を決めました。それからまた40年が経ち、今回新工場を計画した次第です。毎年新卒採用をしており、今では滋賀に来た時の約3倍の社員数になっています。

新工場で力を入れたこと

立石:工場を建設する機会はそう何度もあることではないので、今回非常にこだわりました。溶射ブースは最新鋭のブースを設計しました。大きなブースで大型の溶射に対応できるようにしました。工場自体は世界に二つと無い、とにかくかっこいい工場にしたい!と思っていました。外観でだけでなく、内装やクレーンにもこだわりました。クレーンには「安全第一」ではなく英語で「セーフティーファースト」と入れました。サインもカッコよく入り満足しています。

色が大変でして…当初はフランスの色彩で、と考えていたのですがこれがことごとくしっくりこなくて。色々ご提案頂いたのにその節は申し訳ありませんでした(笑)そりゃ工場にベルサイユ宮殿のようなカラーリングは合いませんよね。最終的にブラック×イエローを採用しました。これがまたトップファクトリーさんのブランドカラーと同じ色で。悔しい程にしっくりきています。

加藤:フランスの色彩という本を参考に、マカロンとかマティスとか色々なカラーを当時ご提案しましたね(笑)当社としては最終的に同じカラーを採用頂き、大変光栄です。

立石:あと工場建設も終盤に差し掛かったところで歴史学者の方の講演会に出席する機会がありました。その時に忍者の話を伺ったのですが、ここは甲賀忍者猿飛佐助の発祥の地でもあることを強く認識しました。急遽「工場に忍者を入れたい!」となり工場裏手の壁面に忍者のイラストを入れることになりました。実はJRの車窓からこの忍者が見えるので宣伝効果バツグンです。

加藤:私たちは全国でお手伝いさせて頂いていますが、歴史や土地のことは当然私たちよりお施主様の方がよく分かっています。忍者のイラストの件は、一方的な提案ではなく一緒に作り上げていく大切さを再認識する良い機会となりました。

新工場完成後の社内・社外の変化

立石:朝礼を第三工場の広場でやっていましたが今は新工場で行っています。狭く、暑いし、寒いし…という場所から広々となり気分よく朝礼ができています。1棟はエアコン完備なので今年のような猛暑にはいいですね。広くなったのでどんどん製品が運び込まれており、稼働率も上がっています。まだラボ、クオリティーコントロール室は既存工場から引越しできていないのですが、7割くらいは稼働しています。2024年の春にはフル稼働予定です。

加藤:お客様、社外からの反応はいかがですか?

立石:5月の新工場お披露目パーティーに全国から325名のお客様にいらして頂きました。この工場でパーティーをやるという斬新な企画でして、大変喜んで頂けました。こんな工場ができたのか!とお客様からも新しいご注文も頂いています。工場見学の申し込みも増えています。月に2件程のペースで受け入れをしています。新工場完成以前から工場見学はしており、見せる工場=オープンファクトリーではありましたが、加えて魅了する意味での「魅せる」が出来るようになりバージョンアップしています。

トップファクトリーとの出会いは?

立石:2019年に東京ビックサイトで展示会出展していた時に出会いました。出展するだけでなく情報収集のために私も会期中は会場を歩くのですが、その際にトップファクトリーのブースを見つけました。工場建設を計画していたので、こんなブース(工場建てませんか?というトップファクトリーのブース)もあるのだな、と思って足を停めました。李さんは当社のブースに立ち寄ってくれていて、実は互いに訪問し合っておりました。

加藤:当社でも出展時は会場を回るようにしているのですが「面白い会社がありました!ブースも黒くてカッコよくて」とテンション高めに李がブースに帰ってきたのを覚えています。当社も変わるがわる御社のブースを見に行きまして(笑)オシャレな社長がいたね。ブースかっこいいね。珍しい事業をやっているね、と盛り上がったのを覚えています。

立石:工場設計の際は、御社を含む3社で進めておりました。斬新なデザインでいいな、と思った他に、御社を選んだ決め手は「私の想いが伝わる」と感じたところです。工場だからこうだ、ではなく、工場でもこんなことができる、デザイン性があっていい、という前向きなところが私と同じスタンスでいてくれるので、話が早いと思いました。

加藤:当社は一般的な設計事務所と違い、色々な企画、提案方法をするのですが、一緒に行った台湾の工場見学はいかがでしたか?

立石:魅せる工場を沢山見に行くあの台湾のツアーはよかったですね。私は自分の目で見て触って感じたいタイプなので、刺激を沢山受けました。

NEXT50の次なる計画は?

加藤:京都で50年、滋賀で40年。そして次なる50年を見据えての「NEXT50」という企画の中での新工場建設ですが、次なる計画はありますか?

立石:次は本社ですね。2025年に本社ビル建設を計画しています。

加藤:御社は働き方でも多くの注目を集めておりますが、取り組みや制度などソフト面では新しい計画はありますか?

立石:社員数は86名、うち女性が15名おります(2023年10月現在)。当社は女性だけでなく男性の育児休暇、リフレッシュ休暇と社員が休みを取りやすい環境にあり、好評です。休んでいる間は誰かがフォローしてくれるので業務は回ります。来期からフォローしてくれる社員に対して「フォロー手当」を導入する予定です。

加藤:本社では工場に比べてシンコーメタリコンらしい働き方がより多く表現できると思います。ぜひまた一緒に50年先を見据えた本社を一緒に作りましょう。

インタビュー:2023年   インタビュアー:加藤瑞紀


映画監督を志していた立石社長にちなんで「映画を一本撮るような工場建設プロジェクトにしたい」と思いキックオフではサプライズでディレクターズチェアとカチンコ、立石組クルーのTシャツをみんな分ご用意。そんなスタートを切ったプロジェクトが今年このような形で完成を迎えて私も感無量です。お施主様からしたらここからがスタート!人が集まる魅力的な工場の稼働をこれからも伴走したいです。


社長と二人三脚で工場建設に取り組んだスタッフにも聞いてみました。(2023年インタビュー)

>シンコーメタリコン工場建設インタビュー【スタッフ編】はこちらから

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