19MAGAZINE#2025.6


【創業7年特集】ジュークの19個のメニューのワケ
5月号では社名の由来・ロゴ下のタグライン(プロジェクトドライブ&デザイン)と改めてジュークアンリミテッドがどんな会社なのかを記しました。今月号ではジュークが提供するサービスの幅の広さの秘密をお伝えします。
そもそもブランディングとは?
ジュークの企業活動の軸にあるのは「ブランディング」です。ブランディングの語源は「焼印=burn」。差別化するための手段です。企業に置き換えると、ブランディングカンパニー=差別化された企業=個性や強みを自身も他者もわかっている状態です。人にはそれぞれ性格・特性があり、得意としていることが異なります。同じように、会社は法「人」というくらいなので、それぞれ性格(社風)があり、特性(目的の達成の仕方)、得意としていること(事業)が異なります。会社は規模、業種、地域、男女比率、歴史、社風など1社1社で異なります。悩み、課題、目指す未来も当然異なり、必要となる施策、取り入れる順番も100社100通りの手段があります。

最大効果を生む19個のメニュー
100通りあります!と言われても途方に暮れてしまうので、効果的で相乗効果があるメニューを19個に絞ってご用意しています。ブランディングカンパニーになるための「入口」「きっかけ」と思っていただけるとわかりやすいと思います。「最大効果」と表現していますが、いつ、何をすればインパクトが大きいのか?コスパ・タイパが良いのか?の視点も経営には大切です。
社屋を新しくすれば。ユニフォームを変えれば。ロゴを変えれば。ホームページを変えれば。やらないよりはもちろん良いですが、それだけで会社が劇的に変わるわけではないのは皆様もご承知の通り。私たち中小企業は大企業に比べてヒト、モノ、カネが慢性的に不足しています。だからこそ効率的に最大効果を生むプロジェクトにしないともったいない!それぞれの専門家はいますが、ワンストップで誰かがディレクション、実行サポートをしてくれないとなかなか相乗効果は生まれず、バラバラの取り組みになってしまいます。
ジュークのメニューが19個もあるのはここに理由があります。「〇〇したいんです」とオーダーをいただくと「他にお困りごとはないですか?」「他には何を作ろうとしていますか?」「長い目で見て数年先はどうですか?」とお話を深掘りしていきます。この作業をお客様と一緒にすると『こっちも一緒に考えた方が効率的。その悩み、これをすることで解消に向かうのでは?』と光が見えてきます。

建設プロジェクトは高額なので注意
建設プロジェクトになれば、額も大きく関係者も多岐に渡ります。ただでさえわかりにくい業界の建設業。業界の中でも専門分野が分かれており、精通している誰かがいないとよくわからないまま進んでしまい、結果的に増額や工期延長とお客様が割りを食うのはよくありません。
初めての建設プロジェクトでお客様のそばに寄り添う。それも私たちのメニューの1つです。ブランディング×設計・デザインに「建設」を掛け合わせているのが建設会社出身のジュークの特徴です。
19個のメニューでこれからも全国、世界にブランディングカンパニーを作っていきます。

BRAND NEW 町工場の金属加工業@山形
〜大正の歴史と技術をヒト・モノ・未来へつなぐ〜
昨年9月からブランディングと新工場の建設プロジェクトが始まっている田村技研工業様。山形県鶴岡市でステンレスをはじめ、銅・アルミ合金・樹脂など各種金属の加工を行っています。出会いはちょうど一年前。田村技研工業様もジュークも出展者として参加していた<ものづくりワールド2024>。初日にジュークのブースを訪れた製造業専門の人材育成コンサルタントの方がご縁でした。「デザインもできるのですか?ちょうど私がお手伝いしている会社がロゴマークや名刺を変えるはずだけど、私はデザインできないから。よかったら紹介してみますね。」そう言ってブースを後に。翌日、田村社長がジュークのブースにいらっしゃいました。
スピード感あるプロジェクト
ハキハキとした物言いでスピード感がある社長。それが第一印象です。30代という若さも相まって、勢いがある社風が想像できました。ブース内で色々とお話をさせていただき、その場で会社(山形県鶴岡市)にお伺いする約束を取りました。6月の展示会での出会いの後に7月に鶴岡初訪問、役所・現地調査、8月にプランニング、ブランディングメンバー選定。そして、社長+ブランディングメンバー全員で岩手までお越しになり、同じく30代社長の成長企業・五日市塗装工業様のブランディングミーティングを見学。9月には1回目のブランディングミーティングと工場のボリューム検討もスタート。出会いからあっという間にプロジェクトが本格スタートしました。ジュークの創業メンバーは地元岩手の建設会社出身ですが、地域、業界他社に比べて経営判断からアクション実行までのスピードが早い会社で有名でした。ジュークになってからは小規模になったため、さらにスピード感UP。その私たちが心地良いとさえ感じる田村さんのレスポンスの速さ。やる・やらないのご判断が相当早く、私たちの体感では展示会で出会ったその日にこの方はもうジュークをパートナーに選んだと感じました。
田村技研工業を表す3色
田村技研工業様を繋いでくださった方が先行して様々な研修を行ってくださっていたおかげで、田村技研工業が目指すビジョンはかなり明確で、社員にも浸透していました。ヒト・モノ・未来の3カテゴリーに分けて取り組みや研修を実施。過去・現在・未来の3つのフェーズや歴史・DNAを振り返り、現状の課題・未来像を定めるブランディング軸づくりワークから見えてきたのは「3」という数字。コーポレートカラーの刷新、ロゴマーク作りが秋に始まりました。全社員が集まる忘年会で、ブランディングチームからブランディング進捗報告として特別な時間を設け、ここまでの活動を社員の皆さんに報告しました。ロゴデザインはまだ完成していなかったので忘年会の時点ではカラーだけの報告でしたが、ブランディングチームが身につけている靴下など小物に新コーポレートカラーが仕込まれているという遊び心を演出。創業事業である鉄から取った「鉄色」、既存のコーポレートカラーで愛着がある「緑色」、明るい未来を表す「水色」の3色を新カラーとして設定。3月にはロゴマークも決定し現在は名刺デザイン、ユニフォーム刷新、採用動画作成、広報活動、展示会出展と分科会のように担当を分けてブランディングアクションとして積み重ねています。
その間も建設プロジェクトはずっと動いており、2026年の新工場完成を目指しています。

ユニフォーム×ブランディング
春・秋が無くなってきている今日この頃。もはや衣替えが意味をなしているのかわかりませんが、6月は制服や作業着界隈が慌ただしくなる時期です。ジュークではブランディングメニューの1つとして「ユニフォームデザイン」を扱っています。製造業、建設業がクライアントに多く、私自身も建設業出身なのでユニフォームというよりは「作業着」の表現の方がしっくりきます。人気のブランディングメニューですが、毎日着るものだからこそ機能性に加えモチベーションが上がるデザインが重要。
面積が大きい=ブランディング効果を出しやすい
カラーやロゴ、名刺、封筒、ホームページなどブランディングの過程で変えていくものが様々ある中、建物・空間に次いで面積が大きいのが作業着。社員の皆様が着用して集まるとその絵力はなかなかのものです。ブランディングをスタートする前にクライアントと一緒に中長期のブランディングスケジュールを組み立てるわけですが新作業着の導入時期をどこにするかは重要です。「作業着」というくらいなので作業のしやすさ、効率アップに寄与することは大原則。企業側の視点で言うと管理のしやすさ、在庫の安定も大事です。そして、アイテムの選び方とデザイン次第でモチベーションアップ、採用効果、広報効果があります。アイテム選び、デザイン選定に社員に参画してもらう工夫ができれば社内の巻き込み、社風改善にも効果があります。ただ変えるのはもったいなく、ユニフォームプロジェクトとして導入することでブランディング効果が発揮できます。
新卒で気がついた作業着の奥深さ
以前生い立ちで書きましたが、私には「服好き」がベースにあります。作業着も服なので、実は並々ならぬ興味があります。むしろ一般の服に比べて機能性があり、各メーカー特色があり、知れば知るほどおもしろい。日本には大小100を超える作業着メーカーがあるそうです。ブランディングのストーリーは10社10通り。それにマッチするメーカー、アイテムも実に多様で自ずと同じものではなく、新しいメーカー・アイテムの発掘をしています。
私は大学卒業後、東京の会社に入社しました。オフィス什器メーカーで自社工場を持っており、製造までやる会社です。入社後すぐに工場で研修となり、私も2ヶ月ほど神奈川の塩浜工場に通いました。当然作業着です。ベージュの地味な作業着を渡され、第一印象は「囚人服みたいだな…嫌だな」でした。しかし、着てみると悪くない。そして工場で過ごすうちに自分が組み立てた製品が出荷され、おしゃれなオフィスに納品されるのを経験するうちに、作業着を着てそれを作っている私、イケているのではないか?とさえ思うように。
ふとした工場の先輩との会話の中で、なぜでこの作業着なのかを教えてもらったことがありました。「うちは木工やステンレスを扱うでしょ?運ぶときにボタンで傷がつかないように前は比翼になっているんだよ。袖のボタンもプラスチックなのも一緒。金属のタイプだとカツンと当たって傷がつくからね。小さい傷でも不良品になっちゃうんだよ。だからうちは名札もつけない。傷がつくから。」そうか!作業するためのものだからそんなことまで考えているのか。すごい。と感動したのを覚えています。そこから実は作業着に並々ならぬ興味を持っており、ホームセンターではワークウェアをチェック。海外に行ってもワークウェアをチェックしています。
若い人へのアピールか、おしゃれ優先で作業着が選ばれるのを私は好みません。おしゃれは我慢、とは言いますが、作業着においては機能性があることが大前提。加えてストーリーがあるアイテム選びとデザインで名実ともに差別化されたその会社だけの作業着をこれからもお手伝いしていきたいです。

今回紹介する建物は「ロームシアター京都(京都会館)」です。前身である京都会館は前川國男によって1960年に設計され、特徴的な意匠を残しつつ2016年に香山壽夫建築研究所によってリニューアルされています。前川建築の特徴を最大限に生かした建物・空間デザインとなっていました。

外観を見れば、まさにル・コルビュジェのルーツを思わせるモダニズム建築であることがわかりますが、機能美を追求するだけでなく、和の要素も取り入れた“余白”を感じました。それを一番に感じた部分は水平に伸びた跳ね出しの軒です。屋上階の水平ラインと2階のレベルで水平ラインが揃って並んでおり、奥行き方向への立体感を感じます。屋上階のラインはR形状となっていますが、2階の手すりも同様にR形状が意匠としてついており、コンクリートの無機質さと柔らかさを同時に感じられるデザインでした。

余白という視点で、2階の軒下が雨除けやテラスとして使える空間になっています。建物の使いやすさ、人の入りやすさを考えた時に必要な余白が軒下の空間で構成されさらには隣の建屋や公園との空間も十分に確保されています。実際に外に出て歩いてみると、余白があることで自然とパーソナルスペースを作り出し、居心地良く感じられました。

モダニズム建築は洋風の機能美を追求しますが、そこに人の導線や間の楽しみなど和の要素が織り交ぜられた名建築でした。
旅のおしえ
~打ち込みタイル~
前川國男が考案した打ち込みタイルが当時の状態で残っていました。型枠に事前にタイルを打ち込み、コンクリート打設時に一体として施工する工法です。タイルの並びが均一ではない所もあり、最初は誰しも完璧でなく、挑戦する大切さを感じました。



木々の隙間から見える円形の屋根と放射状に広がる斜めの通路の壁が特徴的なトイレです。大きな円形状の屋根はトイレの名前の通り、まるで大きな傘のようで雨宿りができる空間でした。個室に繋がる通路の壁には縦スリットが施されており、スリットから漏れる自然光が美しい空間を作り出しています。1人が通れるくらいの決して広くはない通路ですが、圧迫感を感じることなく、快適に使用することができます。

手洗いはトイレの個室ではなく、通路にあるため、公園を利用する人たちも気軽に立ち寄れるように配慮されていました。
「あまやどり」は程よくオープンなつくりで、誰もが安心して快適に利用できる公共トイレでした。雨の日にぜひ“あまやどり”しに行ってみたいです。

<<おすすめトイレアイテム>>
今回おすすめするアイテムは「VOLA/ VLHV3CDA 湯水混合栓」。デンマークを代表するデザインブランドによってつくられた水栓で、北欧デザインの巨匠アルネ・ヤコブセンとのパートナーシップによって誕生したVOLAシリーズです。その見た目はとてもシンプルでどの時代にも馴染むようなデザインです。カラーは15色展開で、バリエーション豊富。写真のように空間と色を合わせて選ぶのも良いですね。

<神宮通公園トイレ「あまやどり」>
神宮通公園は東京・原宿に位置する緑豊かな公園で、散歩やピクニックに最適な場所です。春には桜も楽しめます。
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〒150-0001 東京都渋谷区神宮前6丁目22-8
営業時間 / 7〜23時(定休なし)
▶︎トイレ研究家・日山のInstagramはこちら!


今月号は1934年に岐阜県関市で合名会社東洋食品製作所として創業した「トーヨーキッチン」をご紹介します。職人の技術を生かしたステンレス刃物や洋食器を製造し、1984年にシステムキッチンの製造をスタートしました。「トーヨーキッチン=デザイン」というイメージが世界に浸透したのは1991年。多機能シンクを搭載し、イタリアと日本文化を融合してデザインしたキッチンが発売されました。

「住むエンターテイメントにする」をコンセプトに世界基準のキッチンデザインをオリジナルで開発しているトーヨーキッチン。キッチンは道具ではなく、人生を豊かにする場所として捉え、日本で初めてアイランドキッチンを発表し、世界で初めてキッチンにシャンデリアを合わせました。

シンクの中で調理が完結する、ゼロ動線キッチン「パラレロ」は、洗う&切る&盛付けの作業がシンクの中で完結します。まな板と水切りもできるマルチプレートが標準装備されており、前後左右スライドができシンク内で効率的に料理ができます。製品は匠によるハンドメイドで一点一点製作されており、シンク外への水ハネを許さないフラスコ形状のオーバーハング構造は一般的な量産シンクでは叶わない形状です。

キッチンを選ぶ際、アイランドキッチンは生活感が丸見えになってしまうという声もありますが、トーヨーキッチンはまるで家具のような美しさがあり、絵になる空間を作れるのではないでしょうか。


燕三条から世界へ!
日本を代表する刃物を製造「藤次郎株式会社」@新潟県
新潟県三条市にある「藤次郎株式会社」は高品質な包丁で世界的に知られる刃物メーカーです。藤次郎の工場見学では、職人の手仕事と熟練の技術が融合した包丁づくりの工程を間近で見ることができます。鍛造・焼き入れ・研ぎなど、一本の包丁が完成するまでの繊細かつダイナミックな作業は圧巻で見学者の多くがその技術力に感動します。見学コースでは、実際に職人と会話ができる機会もあり、日本のものづくり精神を肌で感じられる貴重な体験ができます。
スタッフさんの接客品質も素晴らしく、併設の直営店では見学後に藤次郎の包丁を購入することも可能です。刃物や料理に興味がある方はもちろん、日本の伝統工芸に触れたい方にもおすすめのスポットです。



6歳2ヶ月…自転車で公園の中をぐるぐる走り回るのが好き


5/19にジュークは7周年を迎えました
おかげさまでジュークアンリミテッドは7周年を迎え、8年目のステージに入りました。これからも日本・世界にブランディングカンパニーを作っていくジュークをよろしくお願いいたします。

(仮称)協和化工株式会社埼玉工場完成
協和化工株式会社様の新築工事第1期工事が完了し、仮使用許可をいただきました。お施主様は工場を操業しながら、2期工事・3期工事を同時に進めてまいります。すべての工事が完了するのは2027年春です。

喜多村石油取り組みまとめパンフレット完成
昨年7月よりブランディングを導入している喜多村石油株式会社様。経営計画発表会で全社員とゲストにパンフレットが配布され好評を得ました。今後は「GOTO笑顔」のスローガンで活動をスタートします。


●6/19-20 デザインスクール@ジュークアンリミテッド本社
●7/9-11 ものづくりワールド東京@幕張メッセ
●10/23-25 19CLUBブランディングツアー@台湾
●12/2 19CLUBブランディングツアー@東京