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コラム

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インタビュー

ブランディングストーリー|新和金属

新和金属株式会社|広島県安芸郡府中町

代表取締役社長 新谷浩之

内容:コーポレートブランディング

ブランディング期間:2019年1月〜

コーポレートブランディングに取り組むきっかけ

新谷

2017年から3年目標を作っていて、その頃から「魅力的な見せる工場にしたい」と考えていました。そこで自分のイメージに近い工場をインターネットで検索していました。

加藤

ブランディングの前に工場だったのですか?

新谷

当時はブランディングという言葉は聞いたことあるかな…位で特に意識していなかったです。工場とブランディングが結びついてもいなかったし。あくまでも「魅せる工場にしたい」というのがきっかけでした。

加藤

ブランディングチームを発足する際、よく皆様誰がいいのかと悩まれますが、御社のメンバー選定理由を教えてください。

△新和金属ブランディングメンバー(左から 井手川・藤原・濱野・新谷)

新谷

藤原リーダーは、業務上エクセルなどのデータを綺麗にまとめてくるんです。現場で何か掲示・表示をする際もデザイン性が高い。なので、ブランディングをするってなった時に、彼は向いていると思いました。

加藤

藤原さんはカフェの店長経験がありますよね?お客様視点が備わっているからこそかもしれませんね。あと、私が今までお手伝いしているチームではフルタイムではない方は井出川さんが初めてでしたが、井手川さんの人選理由を教えてください。

新谷

当社の場合は会社の規模感的に業務=ブランディング専任、ということではまだないな、考えていました。井手川はパートであることと、前職は広島駅のアッセ(駅ビル)に関わっており営業的なことをやっていたので、対社外活動である広報にも適性があると思ったので人選しました。濱野はムードメーカーだし、現場のことをよく分かっている。社内を繋ぐ役目として全体的にいてくれないと困る。そんな感じの3名です。

具体的なブランディングの活動を教えてください

新谷

2018年の冬に岩手にも行き、実際に加藤さんが他社のブランディングミーティングをしているところに同席させてもらいました。そこで感覚を掴み、2019年の年明けから月2回のミーティングが本格的にスタートしました。

加藤

コーポレートカラー、スローガン、ユニフォームなどを決めていきましたね。

新谷

6月に60周年があったので、そこで社員だけでなくOBOGも呼んで周年パーティーをしよう、ともなりました。せっかくパーティーをするので、そこで様々なお披露目をすべく必要なものを整えていきました。今までとこれからの活動をまとめた紙媒体、新ユニフォームのお披露目もパーティーで行いました。スローガンに含まれるワクワクに掛けてワクワクしてもらえる企画も盛り込みました。ビンゴ大会や、その場で分かるスクラッチくじなんかもお配りしました。

△社員・OBOGも一堂に会した60周年パーティー

△60周年パーティーの配布物

加藤

ちなみに私スクラッチ300円当たりました(笑)!パーティー自体をブランディングチームで企画して仕切るという大舞台でもありましたね。ブランディングを始めた意味や、未来像を社長、藤原リーダーにプレゼンして頂きました。序盤には相談役(先代)にも登壇して頂き、次の世代へ繋ぐご挨拶をして下さったのが感動でした。父から子へ。パーティーに私も参加しましたが、あぁ…いい会社だなって改めて感じました。

本社リフォームの経緯を教えてください

△コーポレートカラーを取り入れた外観にリニューアル

新谷

この建物が10年経っていたので修繕のタイミングだったので、2019年の年末にまず外壁塗装をしました。最初はベージュといったベーシックな色を選んだのですが、女性スタッフから「ここはコーポレートカラーの青でしょ!」と言われて思い切って青を採用しました。今では「青い会社!」と覚えてもらえるので思い切ってよかったです。

加藤

内装リフォームの話はいつ頃から計画していましたか?

新谷

最初は工場を先に、と思っていたので本社棟の改修は後回しと思っていました。でも年明けくらいからリフォームもありかな、と思い始めました。こんな感じにしたいな、という構想は2020年になってからです。

加藤

その頃はまだコロナがこんなに広がって長引くとは考えてもいなかったですね。

新谷

そうですね。春には3ヶ月工場が停止した時期もありました。

加藤

オープンファクトリー・カンパニーを推進する私たちとしては、空間ができたら必ず社内外にお披露目をしましょう、とオススメしています。しかし、コロナ禍でそのご判断は企業側に委ねておりました。御社の場合はどうでしたか?

新谷

8/29が相談役(先代)の誕生日で、そこで社内お披露目。14が創業日なので試運転しながら11/14がちょうど土曜ということもありそこでグランドオープンする予定でした。ただ徐々に悪化する状況の中、ゴールデンウィークの辺りにリーダー以上を集めてお披露目をするかしないか、を話し合いましたね。その結果社内お披露目はコロナ対策をして実行。対外的なお披露目はしないことにしました。

△8/29の社員向けお披露目会

ワクカフェではどんな活動をしていますか?

△本社1階を多目的スーペース「ワクカフェ」にリフォーム

新谷

グランドオープンこそできませんでしたが、娘の父兄さんのご紹介から多くの出会いを頂きました。地域に開くことを想定した空間だったので、メッキという枠を越えて地域で活動するパワフルな女性たちとのご縁ができました。現在当社の社員食堂で料理を振舞ってくださる方もこのご縁がきっかけです。

△手作りのワクトリーランチ

加藤

口コミで確実なご縁を繋いだ時期として良いきっかけだったかもしれませんね。アフターコロナの展開が楽しみですね。

新谷

8月にワクカフェができて一年になります。まだまだ予断を許さない状況ですが、社員同士だけでなく、地域の方ともコミュニケーションが取れる場所としてワクカフェを作ったので、1周年を兼ねて町内の子供たちを対象にクローズドなイベントを考えています。私も子育て世代なので、地域のお子様、親御さんたちが利用できるような場所にもしていきたいです。

ブランディング後の変化を教えてください

△60周年パーティーにて 新ユニフォームに身を包んだ社員モデル

新谷

ユニフォームを変えたのは気分が明るくなった、という意見を頂きました。サブカラーでイエローをブランディングきっかけに採用し、ポロシャツをイエローにしました。また、以前は事務服でしたが、新ユニフォームをきっかけに現場も内勤もみんな同じユニフォームに。気持ち的にも一丸になれたと思います。目に見えて変わったのでよかったですね。

加藤

ワクカフェができたことには社内の反応はいかがですか?

新谷

最初は、この空間の目的が分からないという人が多かったように感じています。コロナ禍だったこともあり、今やるべきことだったの?という空気も正直感じました。今もまだそれは多少残っています。

加藤

判断が難しい時期のオープンでしたからね。そのような社内意見が出てもおかしくないです。そこに関してはどうアプローチしていますか?

新谷

人事評価制度を見直ししました。上司と部下のコミュニケーションが増えましたし、企画を出すと賞与に反映させています。やりたいこと・意見が話題として口にしやすくなってきたと感じます。その中でこの場所を使った活動が増えていくと嬉しいです。これからの前向きな変化に期待しています。

加藤

社外の反応はどうですか?

新谷

面白いことをやっているね、と非常に反応が良いです。ワクトリーという言葉から「ワクワク」を連想しやすいので、楽しそうなことをしているね、と言われることが多いです。また、もう一つのコンセプトである「枠を取り除く」に関しては就労支援など継続的に関わってくれている方がいるので、社内にも良い影響を与えると思っています。

加藤

ワクワク・枠を取り除く・輪を大切に。の三つの「わ」からワクトリーの由来。ワクトリーに込められた三つの意味が広がっているようで嬉しいです。さて、次なる計画はありますか?

新谷

人からやらされるのではなく、この空間をそれぞれの人生が豊かになるように活用してもらえる機会が増えると嬉しいです。人はみんな違うので、自分がやりたい!と思うことを形にしていってほしいです。コンセプトに共感してくれる社外の方もここに集まることで、社員が何かしたい、という時に一緒に形にしてくれるでしょうし。

加藤

社内だけでは狭い活動になってしまいますからね。ぐっと可能性と世界を広げてくれる外の力が集まっているのは非常に良いことですね。これからの活動を楽しみに注目しています。

インタビュー:2021年 インタビュアー 加藤瑞紀

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