ブランディングストーリー|田中組
株式会社田中組|新潟県新潟市
代表取締役社長 田中 康太郎
内容:採用・コーポレートブランディング
期間:①2016年7月〜2018年12月
②2019年10月〜2020年3月
③2020年11月〜現在
ブランディング取り組んでからどんな変化がありましたか?
田中
若い人の意識が変わってきましたね。例えば色にこだわるようになったり、加藤さんだったらどう思うか?を考えるようになったり。今までにはない雰囲気でしたね。
加藤
ご一緒したきっかけが本社の移転プロジェクトでしたね。せっかく移転するから会社も一緒にブランディングしましょうと。先日、久しぶりに御社に伺ったらイスの座面がネイビーになっていて、あ〜自主的に揃えてくれているな、と感じました。
△木材倉庫をリノベーションした新社屋(2017年完成)
田中
コーポレートカラーである昔ながらの半纏の色のネイビーでね。採用活動の時だけはネイビーをフレッシュにしたスカイブルーの2 色使いにしています。
加藤
今若いスタッフさんはどれくらいいらっしゃいますか?
田中
だんだんと増えてきて今は10名ほどですね。
加藤
移転する前は少なかったんですよね?
田中
そうですね。5名くらいでしたね。今は毎年2〜3 名くらいを新卒採用していて、来年も2名入社予定です。何より、会社見学に来る学生の数が圧倒的に増えました。前のオフィスだと1名だったのが、新オフィスに移転して新しい販促ツールを使って見せ方を変えてからコンスタントに10名くらい来てくれるようになりました。そのうちのほとんどの学生がエントリーしてくれました。新しいオフィスのワンフロアが学生にとって親しみやすかったようです。ホームページのリニューアルも同時期に行いました。
加藤
移転がきっかけで色々と始めたということですね。
田中
はい、作業着も変わりましたしね。同業者の方から「新しいことやっているね」とよく言われるようになりました。
採用活動について教えてください。
田中
スタッフがカジュアルにパーカーを着て説明会ブースに立つようにしました。以前の採用活動では、男性は作業着、女性は事務服で出ていましたからね。そりゃ全然集まらないですよ(笑)。いかにも「建設会社!」という雰囲気なので。今は入社2〜3年目のスタッフに説明してもらうようにしています。
加藤
以前は人事担当の方が資料を配って説明していたのですよね。パワーポイントなど使わずに。その頃に比べてガラッと変わりましたよね。
田中
専門学校などの先生からも印象が良いみたいです。説明会の案内をスタッフのOB校に持っていくと「おもしろいことやっているね」と反応してくれて。だから学生も参加しやすいみたいです。
加藤
単独説明会は開催していなかったのですか?
田中
開いても人が来なかったんですよ。来ても1人とか。今は10名くらい集まるようになりました。しかも学校の先生から行ってこいと言われて来るのではなくて、自主的に手を挙げて来てくれるようになったのが大きな違いですよね。
加藤
確かにそれは大きいですね。スタッフも前向きな学生を対応する方が気持ち良いですよね。
田中
あとは、うちの会社を第1希望っていう人が圧倒的に増えたことです。これが一番大きいと思う。以前は、こちらが欲しい学生を採用できるなんて夢物語だったんですよ。第1希望じゃまず来ないし、うちの会社をまず知らないですし。こうやってブランディングに取り組んで、来て欲しい学生が増えたなっていうのは実感していますね。
加藤
ブランディングは形なきものなので、どうしても成功体験がないとピンと来づらいですよね。一度そうやって良い学生に選んでもらえたな、と成功体験ができたらその後はサービスブランドも同じく考えると良いですよ。
これから取り組みたいことはありますか?
田中
建設会社と言われない会社になりたいです。いわゆる昔からの建設会社ではなく、お客様にとってトータルなサービスができる会社になりたい。旧態依然の建設会社の概念を超えて、建物だけじゃないサービスを。
加藤
建物(空間)とブランディングって絶対に大事。建材を選ぶにしても白なのか黒なのか、何を表現したいかというのが大事で、そういう意味で社内にデザイン感覚がある人やブランディングの意味がわかっている人が1人いるだけで提案の幅は絶対に広がるはずなんですよね。
田中
そうなんですよね!今お客様に設計施工で提案させて頂いているのですが、他には何ができるのかなと。色々なお客様の困りごとをヒアリングできても解決できない自分たちがいるんです。これを打破していきたい。
加藤
ソフトな部分を膨らませていく、ということですかね。そもそもお客様がイチ建設会社に採用やブランディングなどソフトなことを対応できるなんて思わないじゃないですか。でも自身が今回ブランディングを経験したことで、採用活動では良い学生が取れてプラスになったという経験値が語れると思います。それって業界を問わないので、お客様しかり、地域の方しかり、同じ業界の方しかり、なぜその部分をサポートできるのか、秘密を聞きたくなると思いますよ。
田中
そうなっていきたいですよね。ブランディングをすることによって、お客様の満足度を上げていきたい、と思っています。
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インタビュー:2018年
インタビュアー 加藤瑞紀